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令和4年9月定例会(第3日目) 本文
令和4年9月定例会(第3日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2022-09-03
    令和4年9月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(望月俊明君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(望月俊明君) 本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 認定第1号 令和3年度静岡市一    般会計歳入歳出決算の認定について 外53    件(総括質問) 3 ◯議長(望月俊明君) 日程第1、認定第1号令和3年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定についてから日程第54、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、高木 強君。   〔高木 強君登壇〕 4 ◯高木 強君 おはようございます。  自民党静岡市議団、高木 強でございます。どうぞよろしくお願いします。  通告に従いまして、総括質問をさせていただきます。  最初の質問は、大項目1、海洋文化の地域づくりについてであります。  去る7月20日、清水みなとまちづくり公民連携協議会によるオンラインシンポジウムが開催され、清水駅東口・江尻地区ガイドプランと日の出・巴川河口地区ガイドプラン案が公表されました。清水駅東口・江尻地区のガイドプランは、案が取れ、正規版となったところでございます。皆様にお分けしました資料の右側上段が江尻地区版、その下が日の出地区版ガイドプランであります。  将来イメージとして、江尻地区につきましては、次世代型スマートシティの形成がうたわれるとともに、市民からの要望が高かった公園や広場、スポーツ施設、大規模商業施設が位置づけられております。スポーツ施設は、サッカースタジアムのことと考えられます。清水区民の長年の懸案でありました清水駅前のさびついた石油タンクが撤去され、未来の都市が開けております。  その下の日の出地区のガイドプランは、現在は案でありますが、明確なゾーニングとそれをつなぐネットワークがモール、アベニューなどと表現され、豊富な緑と共に将来の方向性が明示されております。物流拠点から人々の憩いの空間への転換が見て取れます。
     江尻地区の将来イメージを作成するに当たっては、事前にアンケート調査が実施されており、この地域に期待するもの、必要な機能・施設等の設問について、6,000人を超える皆さんが回答を寄せており、関心の高さをうかがわせるものでした。  清水みなとまちづくり公民連携協議会は、2018年4月に静岡県、静岡市、関係機関、民間企業により設立され、翌2019年7月、清水港開港120周年事業として、清水港及び周辺のおおむね20年以内の在るべき姿となすべき計画を検討した清水みなとまちづくりグランドデザインを公表しました。県では、このグランドデザインと方向性を共有した清水港長期構想を同年8月に策定しております。公民連携協議会では、グランドデザインに示されたリーディングプロジェクトを具現化するため、地区ごとのガイドプランを順次策定していくものとしており、今般の清水駅東口・江尻地区ガイドプランがその第1号となります。公民連携協議会は、それまでは任意団体でしたが、昨年3月に一般社団法人となり、その後、12社が入会しております。  そこで質問です。  ガイドプランを作成することのみであるなら、法人成りの必要性を私は感じないのですが、一般社団法人となった目的、これまでの成果、市の関わりについて教えてください。  さきに述べましたシンポジウムにおきまして、極めて興味深い指摘がありました。清水と横浜のウオーターフロントを比較したもので、両者の構成や規模が極めて似ており、ともに中心市街地と一体で都心ウオーターフロントを形成しているとのことでした。JR桜木町駅とJR清水駅を重ね合わせて見ますと、約2.2キロメートルの間に親水空間と都心が連なっていること、その外れには、横浜は中村川、清水は巴川があり、その外側に元町商店街と次郎長通り商店街が立地していること、そしてJR桜木町駅前に広がるみなとみらいが、清水でいうエネオス社の所有する遊休地に相当するとのことでした。  私は、清水と横浜が似ているなどとは考えたことがありませんでしたが、特にエネオス社の土地が横浜のみなとみらいと似た立地だと言われただけで、わくわく感が増してきました。清水駅前の遊休地、広大な土地にガイドプランに示されたような静岡市の新たな都市づくりを行う。それは、清水のみなとみらいであり、次世代型スマートシティであります。キーワードは、シティ・イノベーション、カーボンニュートラル、次世代型サッカースタジアム、そしてにぎわい空間だと言えます。この新都市の建設は、日本のみならず世界に対して新しい時代にふさわしい港湾都市の在り方を示していくのではないでしょうか。世界に輝く静岡の象徴的エリアになるものと考えます。  実現に向けては、国、県、市、関係団体、民間企業の連携は欠かせませんが、まずは静岡市としてこのプランを推進していくという強い意思が必要です。静岡市が事業主体として全てを行っていくことは難しいと考えますが、都市運営の責任者として1つの方向性を示し、関係者の賛同を得ていくことは可能だと思います。  そこで質問です。  静岡市の都市づくりへの決意として、清水駅東口・江尻地区ガイドプラン次期総合計画に反映し推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。  続きまして、清水駅周辺まちづくりについてであります。  都市局清水駅周辺整備課が本年7月から8月にかけて、清水駅周辺地区まちづくりアンケートを実施しております。その目的は、清水地区のまちづくりを推進するために、国土交通省の支援を受けることができる清水駅周辺地区都市再生整備計画を策定することとしており、まちづくりに関する市民の意見を聞こうとするものです。計画の期間は、来年度、令和5年度から令和9年度までの5年間、対象範囲は、清水地区中心市街地活性化エリアとほぼ同じ範囲としており、海洋文化施設の立地を予定している日の出・巴川河口地区まで含まれております。公民連携協議会ガイドプランを作成したエリアがカバーされており、計画策定により国のお墨つきを得ることができれば、実現可能性が一段と高まるものと期待しております。  具体的には、この計画に位置づけることで海洋文化施設のみならず、モールやアベニューといった道路の整備、民間事業者の施設なども国からの支援が受けられる可能性が生まれ、整備に関しスピード感が出てくるものと考えます。また、金がかかり過ぎるとの批判が多い海洋文化施設ではありますが、国から支援が受けられれば、市の財政に多少なりとも貢献するのではないでしょうか。都市局のこの取組に対し、大いに拍手を送りたいと思いますが、そううまくいくかという懸念もないわけではありません。  そこで質問です。  都市再生整備計画の概要と清水駅周辺地区での計画策定に向けた取組はどうか、伺います。  あわせまして、海洋文化施設の整備に向けた現在までの進捗と今後のスケジュールについて教えてください。  以上、1回目の質問です。 5 ◯副市長(本田武志君) 私からは、清水みなとまちづくり公民連携協議会一般社団法人化の目的やこれまでの成果と、市の関わり及び清水駅東口・江尻地区ガイドプランの4次総への反映についてお答えいたします。  まず、法人化を行った目的です。  これは、みなとまちづくりに係る様々な関係者の思いを集約し、将来像の策定、具体化を図るという協議会の活動をより積極的に展開する上で、組織の信用力を強化し、活動の持続性を確保するためでございます。具体的には、グランドデザインの策定という当初の活動から、6地区のガイドプランの検討、さらには、その実現に係るまちづくりの支援へと活動内容を広げていく際に、協議会が法人格を持つことで責任の所在が明確となり、社会的信用を持つことで開発関係者との協議・調整や社会実験の企画運営などが円滑に進むことから、一般社団法人への移行が行われました。  次に、これまでの成果でございますが、関係地権者様などとの協議や市民アンケートの実施といった幅広い調整作業や、対外情報発信を独立性を持って進めることができた結果、本年7月に、市民の皆さんや地区の関係者の幅広い意見を丁寧に整理し反映した清水駅東口・江尻地区ガイドプランを策定することができました。  そして、さらに、現在も同様の方針で本年度末の策定を目途に、日の出・巴川河口地区ガイドプランの検討を進めております。  次に、本市の関わりですが、本協議会へは海洋文化都市統括監が協議会の副会長として参画し、また本市職員1名を本協議会へ常駐職員として派遣しております。これにより、協議会での議論を本市が速やかに共有し、また本市の考えも協議会にしっかりとお伝えし、サポートできる連携体制を構築しているところでございます。  最後に、清水駅東口・江尻地区ガイドプランの4次総への反映についてですが、このガイドプランは、清水駅東口・江尻地区の魅力向上のため、地権者、事業者、行政など、様々な主体がそれぞれ具体的な計画を進めていく上で共通の指針となるものでございます。そのため、4次総におきましても、清水駅東口・江尻地区が一体となり、みなとまちづくりとしての魅力と活力が高まるよう、このガイドプランが示す将来イメージを関係者と共有するとともに、その実現に向けて必要な施策を反映させ推進してまいる所存でございます。 6 ◯都市局長(八木清文君) 都市再生整備計画の概要と清水駅周辺地区での計画策定に向けた取組についてですが、都市再生整備計画は、都市再生特別措置法に基づき、都市の再生に必要な公共公益施設の整備等を重点的に実施すべき区域を対象として、国から交付金等による支援を受けることができる制度でございます。  本市では、都市再生整備計画に基づく取組を平成16年度より実施しており、現在では、駿府ふれあい地区と草薙駅周辺地区の2地区で実施しております。清水駅周辺地区で検討している対象区域は、静岡市立地適正化計画における集約化拠点形成区域として設定された江尻地区から日の出地区までを含む157.5ヘクタールとしており、計画期間は令和5年度から5年間の9年度までを計画しております。対象事業としては、地域のにぎわい創出につながるハード事業やソフト事業を掲載する予定であり、港とまちが一体となったまちづくりの実現に向け、国との協議を進めております。今後も関係部局と連携し、オール静岡市で海洋文化の拠点づくりの実現に向け取り組んでまいります。 7 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 海洋文化施設の整備に向けた現在までの進捗と今後のスケジュールについてですが、現在、公告中の仮称静岡市海洋・地球総合ミュージアム整備運営事業は、本年7月末までに事業者からの入札参加表明があり、参加資格審査の結果、入札参加資格を有していることが認められました。その後、入札参加資格を有している事業者と本市、東海大学、JAMSTECとの意見交換では、事業者から提案予定内容のコンセプトや特徴などが示され、事業者が提案に向けて着実に準備を進めていることが確認できました。今後、10月末までに事業提案書等を受付、PFI事業者選定審査会の審査を経て、11月末までに落札者を決定する予定です。  また、これまで本事業における財政負担の軽減を図るため、国の交付金制度等の活用の検討を進めてきているところです。  今後も引き続き、まちづくり分野や環境分野での支援制度を含め、局間連携により財源確保に向けた取組を進めてまいります。   〔高木 強君登壇〕 8 ◯高木 強君 御答弁ありがとうございました。  次に、大項目2つ目、森林文化の地域づくりについてであります。  私は、昨年11月議会において、両河内スマートインターの設置が決定したことを受け、地域全体を視野に入れた総合的な振興計画を作成すべきではないかと質問をしました。市長からは、4次総の中で大きな目指す地域の姿を示し、地域の皆さんの御意見を伺いながら、具体的な事業は次期オクシズ地域おこし計画の中でエリアごとのプロジェクトを位置づけ、推進していくとの御答弁をいただきました。4次総を策定し、次にオクシズ地域おこし計画を改正し、エリアごとのプロジェクトを位置づける。何だか時間がかかる話だなと思ったところでした。  そこで質問です。  スマートインターの整備が決定したときに、おおむね5年後の供用開始を目指したいとの市長の発言がありました。そろそろ1年が経過するところであります。両河内スマートインター整備の進捗状況と、供用開始想定時期について教えてください。  一方、建設局では、4次総の策定やそれを受けたオクシズ地域おこし計画を待っていたのでは、スマートインター整備を契機とした地域振興はおぼつかないと思われたようで、昨年、令和3年11月には、道路計画課が事務局となり、両河内地区の皆さんと一緒にまちづくり作戦会議をスタートさせました。4回の作戦会議を経て、本年3月には両河内まちづくりビジョンを策定しております。資料の左上がまちづくりビジョンの表紙となっております。このビジョンを土台として、各種振興策が計画され、スマートインターの利用者増加と地域課題が解決されていくものと期待しておりますが、このビジョンと市長が言われました4次総との関わり、あるいはオクシズ地域おこし計画との関わりがよく分からないところであります。  そこで質問です。  両河内まちづくりビジョンの策定の目的と位置づけ、今後の展開はどう考えているか、教えてください。  最後に、中山間地の住環境保全の視点で、管理者不明のつり橋問題についてであります。  中山間地をイメージしてみてください。急峻な山があって、清らかな川が流れている。川沿いに道路が走り、小規模な集落があり、川の周りには中小の畑や田んぼが連なっている。のどかな風景が広がっています。ここで生活していくには、川を幾度も渡ることが欠かせません。主要な位置にはきちっとした道路の橋がありますが、ちょっと隣の家に行く、向かい側の畑に行くなどというときは、つり橋が大変便利で地域の足となっています。また、昔は、つり橋は子供たちにとっての格好の遊び場にもなっていました。近年は、高齢化が進展し、自動車運転免許証を返納する人も多く、再びつり橋の利便性が見直されてもいます。  つり橋を架けた経緯は不明な部分が多く、一部はそれまでは木造の橋だったが、災害復旧に当たり架け替えられたなどの話も聞いております。両河内地区の中河内3区自治会の管内には6本のつり橋があります。1本が本市農地整備課管理、1本が個人管理のほか、4本のつり橋が管理者不明となっております。資料に示した4つのつり橋でございます。その多くが架橋から40年から50年が経過し、腐食が激しく危険な状態になってきております。重大な事故が起きる前に何とかしなければというのが地元の願いでもあります。地元の皆さんは、この管理の問題を解決しようと、市や県に何度も何度も足を運んでいますが、一向に解決されません。  一方、8月4日の静岡新聞では、管理者不明のいわゆる勝手橋が全国的に多数存在し、老朽化により危険が増している。国は、自治体に設置者の把握などを促していくとの記事が掲載されたところであります。  そこで質問です。  管理者不在のつり橋問題について、現状をどのように認識し、今後の対応についてどう考えているか、お答えください。  以上、2回目の質問です。 9 ◯建設局長(池谷 誠君) 両河内スマートインターチェンジと管理者不明のつり橋についての3つの質問にお答えします。  まず、両河内スマートインターチェンジ整備の進捗状況と供用開始想定時期についてですが、仮称両河内スマートインターチェンジは、令和3年11月に国土交通大臣から中部横断自動車道と市道を連結する許可書を受けて、本年3月にはNEXCO中日本と施工及び費用負担区分に関する基本協定書を締結しました。この基本協定書により、事業区分は、料金所までのアクセス道路の整備を本市が行い、料金所から高速道路側の整備をNEXCOが行うこととしております。  これに基づき、令和4年度より相互に設計を進め、並行して地元関係者や沿線地権者への事業説明にも着手したところであります。なお、供用開始の予定時期ですが、山間部の急峻な地形であることや中部横断自動車道の通行を確保しながらの施工となることから、現在、NEXCOと設計の中で工程を検討しているところで、現段階では公表するまでには至っていない状況です。両河内スマートインターチェンジの完成は本市の悲願でもありますので、一日でも早く供用開始できるよう関係機関と一体となり事業を推進してまいります。  次に、両河内まちづくりビジョンの策定目的、位置づけ、今後の展開についてですが、両河内まちづくりビジョンは、スマートインターチェンジの事業化を契機に、地域が主体となって令和3年に地元代表者で構成する両河内まちづくり作戦会議を立ち上げ、安心して住み続けられる両河内を目的に、本年3月に策定されました。このビジョンでは、おおむね10年先のまちの将来像を描き、スマートインターチェンジ整備による防災機能の強化やアクセス性の向上を生かして暮らしの質や地域資源の価値を高め、移住・定住の促進や雇用の創出につなげるなど、まちの持続可能性を高めるための取組を推進していくこととしております。  このことから、位置づけについては、中山間地域での経済の活性化や観光交流の促進に資する取組として、現在、策定中の4次総の分野横断的な重点施策の1つであります森林文化の地域づくりにつながるものであると考えております。  今後も引き続き、このビジョンの実現に向け、地域の取組を推進するため、地域と行政が一体となって具体的な取組内容や実行組織づくりなどの議論を進めてまいります。  最後に、管理者不明のつり橋の現状と今後の対応についてですが、管理者が不明の橋については、河川管理上の支障が生じるおそれがあるため、国から管理者の把握に努め、占用許可など適切な措置を取るよう求められているところです。本年5月には、国から一、二級河川を対象に管理者不明の橋に関する調査があり、本市が管理する5河川について調査を実施しました。  この調査では、議員御指摘の管理者不明のつり橋はありませんでしたが、その他の市が管理する河川については、つり橋の有無や管理者を把握できていないのが現状であります。つり橋を安全に利用するためには、管理者を定め、定期的な点検や修繕などを実施し、適切に維持管理することが求められます。  このため、まずは今年度中に市が管理する河川においてつり橋の実態調査を実施するとともに、国や県が管理する河川の状況も把握しつつ、また管理者不明の橋に関する国の動向も注視しながら、今後の対応策を検討してまいります。   〔高木 強君登壇〕 10 ◯高木 強君 3回目は意見・要望です。  第4次総合計画と清水駅東口・江尻地区ガイドプランについて我々の仲間で議論し、2つの計画についてパブコメを出させていただきました。議論の中で若手メンバーからは、現在の総合計画案からはわくわく感が感じられないとの意見が出されました。一方、ガイドプランに対しては、東京在住のメンバーからも、清水のポテンシャルが楽しみだ、私たちにできることは協力したいとの積極的な意見が出されたほどでした。ガイドプランは、次世代型スマートシティを目指したもので、カーボンフリー水素の製造や社会での活用も含め、わくわく感満載であります。総合計画でこれを利用しない手はないと思われます。  また、7月に自民党有志で長崎スタジアムシティを視察させていただきました。物すごい速さと柔軟性を持ってプロジェクトが進んでいます。このような事業が静岡で展開された場合に、民間のスピード感に行政はついていけるのだろうかと不安を感じたところです。官民連携で事業を進めるのであれば、行政が先々に動かなければ、民間の足を引っ張ってしまうのではないかと思いました。そのためにも静岡市が先に動く必要性を強く感じたことから、ガイドプランの総合計画への反映は必須だろうと提案しました。わくわく感とスピード感、ぜひお願いしたいところでございます。  続きまして、清水駅周辺地区都市再生整備計画についてであります。  大きなプロジェクトを動かす場合に、財政的裏づけ、国の支援などがなければ、多くの皆さんの賛同を得ることはできません。公民連携協議会ガイドプランをこの都市再生整備計画で後押しする、よい流れになってきたかなと感じております。  しかしながら、今回のエリア設定は清水地域中心市街地活性化区域とほぼ同じとしており、現在のところはエネオス社の遊休地は対象エリアとなっていません。先ほど、行政の計画は早め早めに対応すべきだとのお話をさせていただきましたが、エネオス社所有遊休地につきましても、都市再生整備計画のエリアを拡大して対象地に含めるよう要望させていただきます。  次に、公民連携協議会についてであります。  法人としての信用力、持続性、責任、そして独立性がキーワードかと思います。協議会は、今後、プランを実現させなければならない立場になってくるものと思います。プランを実現するための法人化だと私は理解しております。そうなりますと、プランに示された個別の事業をどの主体が実施するのかを明確にしていく必要があります。港湾事業として県でやるのか、あるいは都市的事業として市でやるのか、あるいは採算性を考え民間でやるのか、県民視点と政令市視点の違いや財政負担あるいは国の支援の有無、民間事業者へのメリットなどを考えますと、その調整は相当難しいのではないかと想像します。  個人的な見解ではありますが、清水みなとまちづくり公民連携協議会が臨港地区の港湾計画と都市計画を所管する強い権限とマネジメント能力を持ち、みなとまちづくりを主体的に行うような仕組みづくりを検討してもいいように感じております。  続きまして、森林文化の地域づくりについてであります。  数年後には、両河内地区にスマートインターが完成します。その時に、結局できたのはインターと周辺の道路だけだったなとならないように願っています。市長が常々おっしゃっているバックキャストの考え方と局間連携、つまり目標時期から逆算し、やるべき事業を洗い出し、各部局が総がかりで取り組むこと、これが本当にできているのか、少し不安を感じています。新東名、中部横断道ができたときと同じようにならないようお願いしたいなと思います。  特に両河内地区において必要なのは、ドライバーの休憩場所としての広い駐車場、トイレなどを備えた道路休憩施設、地域の情報発信、地場産品販売のための都市山村交流センター、そしてガソリンスタンドだと思っております。実現に向けた動きをぜひお願いいたします。  また、今後、中山間地のみならず、地域のビジョンなり計画を策定する場合には、自治会やまちづくり団体等と最も関わりが深く、地域のことを一番分かっている区役所が計画段階から関わるようにしてほしいと思います。  最後に、つり橋問題です。  管理者不明の橋は、つり橋だけでなく道路橋もあります。中山間地だけでもありません。勝手橋との表現もいかがなものかと思います。 11 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。 12 ◯高木 強君(続) 管理者不明ということは、メンテナンスがされずに日々老朽化し、危険性が増していくことです。ぜひ全てを調査していただき、管理者を決め、老朽化対策、維持管理、架け替え、撤去など早急に対策をしていただきたいと思います。管理者不明の橋問題は、河川管理上の問題ではなく、住民の安心・安全な生活基盤として大変重要な課題です。かつ緊急の問題です。早急な対応をお願いしまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 13 ◯議長(望月俊明君) 次に、児嶋喜彦君。   〔児嶋喜彦君登壇〕 14 ◯児嶋喜彦君 志政会の児嶋喜彦です。  それでは、通告書に従って質問させていただきます。  最初に、新型コロナウイルスの対応についてです。  新型コロナウイルスの感染者は、今年1月上旬から始まった第6波では、それまで1日の感染者数の最大が2万6,000人程度だったのが、約4倍の10万4,000人余りとなり、私は、当時、第6波が最大だと思っていましたが、今年7月上旬から始まった第7波では、最大26万人余りと第6波の2.5倍となり、オミクロン株はデルタ株に比べて重症化率は低いものの、多くの感染者を出し、それに伴い死者数も増加しました。今回の第7波が最大と私は思いたいですけれども、今後、想定される第8波は、さらに大きくなる可能性もあります。  そんな感染者が急増する中で、私は、海外に比べて日本の検査体制は十分ではないんじゃないかと思っております。アメリカでは、早い段階からニューヨークなど大都市の多くの場所で無料のPCR検査を実施しており、韓国でも早い段階でドライブスルー検査などを実施していました。感染拡大を抑制するためには、しっかり検査して陽性者を特定し、陽性者を隔離することが重要だと考えます。  日本では、PCR検査数に限りがあると聞いており、感染拡大時には抗原検査キットの入手も困難になります。自治体によっては、ドライブスルー検査や人が多く集まるところで検査を拡充しているところもあり、例えば札幌市では、JR札幌駅西口改札を出てすぐのところに、予約不要の無料検査会場が設置されており、まちに出てきた若い人も気軽にPCR検査を受けていました。  静岡県では、感染拡大時に症状のない方や濃厚接触者でない方を対象に無料検査を実施しており、第7波では8月31日までの期限を9月30日まで延期し、以前よりはPCR検査を受けやすい体制であると考えます。また、国と県では、医療機関の負荷軽減を目的に、症状のある方に抗原検査キットを配布して、自己検査をして陽性の場合は、医療機関を受診せずに自主療養していただく仕組みの構築を目指しています。これを受け、県内他市町でも既にその取組が開始されています。報道によれば、他市町におけるキットの配布方法は、ネット申告、もしくはドライブスルー方式など様々ですけれども、いずれの市町も一定条件の下、希望する個人全員に配布しているようです。  これに対し本市は、9月7日から約13万回分のキットを配布し始めましたが、他市町と比較して配布方法や対象者が若干異なっているのではないかと感じています。国が掲げる事業の目的は、医療機関の負担軽減ですけれども、私は、キットの配布を通じて市民に安全と安心を届けることも同じくらい重要だと考えています。  そこで質問です。  本市では、国から配布された抗原検査キットをどのように配布し、活用したのか、お聞きしたいと思います。  次に、保健所や医療機関の負担軽減についてお聞きします。  感染者が多くなると、当然ながら保健所での受付件数が多くなり、初期受付、健康観察、病院手配、必要な物資の送付など、保健所での対応業務が非常に多くなります。医療機関でも、通常の一般診療に加えてコロナ感染者の診察が急増すると、一般診療者と発熱外来者との隔離も含めて対応が難しくなります。新型コロナ陽性者については、新型コロナウイルス感染者等情報把握・監視システム──通称HER-SYSへの入力が必要であり、ある医療機関ではHER-SYSの入力に夜遅くまで時間を要するといったような報道がありました。  健康観察については、病床使用率が高くなることにより自宅療養者が増え、自宅療養者の方の症状が急変して亡くなられたというような報道があり、電話での健康観察の重要性が指摘されるようになりました。感染者が激増すると、保健所による健康観察対応が難しくなり、大都市の自治体では感染拡大時期の自宅療養者になかなか保健所からの連絡が来ないケースもあったというような報道もありました。  そこで質問です。  本市では、第7波で感染者数が急増した際、自宅療養者の健康観察をどのように対応してきたのか、お聞きしたいと思います。  また、感染者が増減すると、保健所職員の対応人数も変化させる必要があります。  そこで質問です。  感染者の増減に対する保健所職員の人数増減は、どのように対応してきたのか、お聞きしたいと思います。  感染者が増大したときのHER-SYSの入力については、感染者全員を登録することと登録項目が多いことが課題であり、政府では、全数把握の簡略化について、9月26日から全国一律で見直すとの表明がありました。見直し内容の詳細や見直しによるメリット、デメリットもまだつかみ切れておらず、現時点で確認できるのは、これまでの対応についてとなりますが、そこで質問です。  感染者情報を管理するHER-SYSの入力について、保健所や医療機関ではどのような負担軽減を図ってきたのか、お聞きしたいと思います。  1回目の質問は以上となります。 15 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) まず、新型コロナウイルスの検査体制についての御質問にお答えします。  国から配布された抗原検査キットの活用方法についてですが、本市では、限りある抗原検査キットをより有効に活用するため、医師会や関係機関との協議を重ねてきました。その結果、患者の受皿となる発熱外来を拡充した上で、陽性と判明した方に医師がその場で同居家族等の濃厚接触者分の抗原検査キットを配布する静岡市方式を採用することにしました。この方式における最大のメリットは、陽性者を通じて医師と濃厚接触者がつながることです。  県は、医療機関の負担を軽減するため、自己検査・療養受付サイトを開設し、一定の軽症者に対し医療機関を受診せず自主療養することを呼びかけていますが、医師の判断なく自主療養を選択する際の不安は拭えません。そこで、配布の際に、医師が個々の年齢や状況に応じたアドバイスをすることで、濃厚接触者が陽性となった場合でも、軽症であれば安心して自主療養を選択いただけるようになりました。  このように、静岡市方式の採用により医療機関の負担を軽減し、真に医療を必要とする方の受診機会を確保するとともに、市民の皆さんに安全と安心を提供することができたと考えております。  次に、保健所や医療機関の負担軽減に関する3点の質問にお答えします。
     まず、第7波で感染者数が急増した際、自宅療養者の健康観察をどのように対応してきたのかについてですが、急増した自宅療養者に対しては、本来、電話で行うファーストタッチをショートメールで効率的に行うとともに、体調急変時の緊急連絡先や療養期間中の注意事項などを掲載した市のホームページを案内することにより、自宅療養者の不安解消を図りました。そのうち、高齢者、基礎疾患を複数持つ方、妊婦といった重症化のおそれのある患者については、保健師や看護師が電話による健康観察を療養終了まで毎日行いました。  一方、若年層の方や軽症者については、毎日の電話による健康観察は行わず、療養の最終日に再度ショートメールを送信して、療養が終了する旨と症状に不安のある方の問合せ先をお知らせしました。自宅療養者のうち、医師が必要と認め本人が同意した場合は、在宅ドクターサポートにより、保健所に代わり医療機関が健康観察を行うことで、保健所の負担軽減を図ることができました。  次に、感染者の増減に対し、保健所職員の人数増減をどのように対応してきたのかについてですが、感染者の急増により保健所職員だけでは対応できないことから、これまで庁内他部局からの事務職員や保健師などの応援により、保健所の体制を維持してきました。その際、あらかじめ他部局の応援職員の名簿を作成することにより、感染状況に応じて必要なときに必要な人数を迅速に確保できる応援体制としてまいりました。また、本年7月からは、療養者用の支援物資の配送業務の委託、人材派遣業を活用しての患者情報入力業務を実施するなど、業務の委託化や効率化を進めることにより、保健所職員の負担軽減も図ってまいりました。  今後も、保健所業務の委託化、効率化を一層進めるとともに、感染状況に応じた応援体制を維持することにより、感染の再拡大に対応してまいります。  最後に、感染者情報を管理するHER-SYSへの入力の負担軽減についてですが、本市では、新型コロナウイルス対策において、医療機関は患者の治療、保健所は事務処理に関する業務といった、それぞれの専門性を生かした役割分担を行ってきました。医療機関には、患者への対応にできるだけ専念していただくため、HER-SYSへの入力は求めず、発生届をファクスなどにより保健所に提出していただきました。また、保健所では、医療機関から提出された発生届の内容を、人材派遣を活用してHER-SYSへ代行入力することで負担軽減を図りました。このように、本市では、医療機関と保健所が役割分担を行い、双方の負担軽減を図ってまいりました。   〔児嶋喜彦君登壇〕 16 ◯児嶋喜彦君 新型コロナ関連の質問に対する御答弁ありがとうございました。  意見・要望は最後に述べさせていただき、続きまして、大規模災害発生時の対応についてお聞きしたいと思います。  大地震などで道路が寸断され、事業所などで帰宅困難となった方への対応について質問させていただきます。  静岡市は、北部に険しい山、南は駿河湾、東西も川や山に囲まれており、大地震が発生した場合、幹線道路や橋が通行不可となるケースが考えられ、帰宅困難となる人が多く発生することが想定されます。例えば、私がいた事業所では、関係会社や派遣会社社員も含め、敷地内に最大5,000人の従業員がいて、そのうち市外からの通勤者だけでも800人近くいて、市外への道路が寸断されると多くの帰宅困難者を抱えることになり、全従業員の3日分の食料を保管しているものの、避難期間が長くなると、その後の対応が困難になってきます。  また、事業所によっては、食料の備蓄が少なかったり、事業所の建物が全壊してしまったり、施設の老朽化などにより建物の内部に入れない場合、多くの帰宅困難者が屋外で長時間過ごすこととなり、行政の支援が必要になってくると思います。  そこで質問です。  事業所における帰宅困難者対応について、市はどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。  また、帰宅困難者における市の対応について、事業所において従業員を含めた帰宅困難者を受入れた場合、市からの物資などの支援はあるのか、事業所が被災し帰宅困難者を受け入れることができない場合、市はどう対応するのか、お聞きしたいと思います。  次に、生涯学習施設についてお聞きします。  生涯学習センターは、葵区、駿河区に11センターあり、生涯学習交流館は、葵区に7館、清水区に21館あり、市民の皆さんの学習活動の場として御利用いただくとともに、講座等の開催や生涯学習に関する情報を提供しています。生涯学習活動は、ポストコロナ時代の豊かな人生や豊かな社会を支え、新たな知識を得るための学習の場として、生きがいづくりや人と人との交流の場として、新しい社会を支えていく人づくりの場として活用されています。平日の日中は、高齢者が各々の趣味を楽しんだり、人と人との交流の場として使われることが多く、高齢者の皆さんの生きがいになっているのではと思っています。  高齢者の皆さんの趣味はそれぞれあり、今回は音楽活動についてお聞きしたいと思います。音楽は、聴くだけでも脳にとってよい刺激となり、昔懐かしの曲を聴くことが回想法の1つになるとも言われています。また、カラオケで歌うことも、昔を振り返る回想法であるとともに、仲間で楽しんだり気持ちよく声を出すことにより、よいストレス発散になります。さらに、楽器を演奏するのは、手や指を動かすこと、楽譜を見ながら演奏すること、自分の出している音を聴くことなどで脳が活性化すると言われています。また、管楽器の演奏は、楽器に息を吹き込んで音を出すので、その楽器にあった呼吸法を学ぶことになり、正しい呼吸法を訓練することにより、飲み込む機能や呼吸機能を高めることができるとも言われています。これら楽器の演奏を含めた音楽活動は、高齢者の趣味に適しているのではないかと考えます。  そこで質問です。  生涯学習施設において、音楽を利用できる施設の利用状況はどのようか、お聞きしたいと思います。  楽器の演奏については、若い頃に演奏していた楽器を続けている方も多く、吹奏楽をやっていたとかバンドをやっていたという方が、高齢になられても、その楽器を楽しんでいる方が多くおられます。また、吹奏楽やバンドは、複数人で音を合わせて演奏するため、人と人との交流にもよいでしょう。しかしながら、管楽器やドラムのような打楽器は音が大きいため、練習でも防音性に優れた施設を使用する必要があります。最も優れた防音施設は貸しレンタルスタジオですが、料金が高く、複数回使用するには経済的負担が伴います。音楽の練習の場として最も利用しやすいのが生涯学習施設と考えますが、住宅密集地にある生涯学習施設だと、近隣住民への騒音問題となり、住宅からやや離れた場所でも近隣住民からの苦情があったり、同じ施設内で会議などをしているグループから苦情が入ることもあるようです。このように、管楽器や打楽器の練習で使える生涯学習施設は少ないと聞いており、利用状況によっては、ある程度の防音を備えた部屋が追加で必要ではないかと考えます。  そこで質問です。  今後、生涯学習施設において音楽を利用できる施設の整備をどのように進めていくのか、お聞きしたいと思います。  2回目の質問は以上となります。 17 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 帰宅困難者への対応について、3つの質問にお答えいたします。  初めに、事業所における帰宅困難者対応についての市の考え方についてですが、大規模災害発生時には公共交通機関が停止するほか、道路被害等による交通規制が実施され、多くの方が帰宅困難となることが想定されるため、平時から帰宅困難者が一時的に滞在できる施設や食料や飲料水などの物資をあらかじめ確保するなど、事前の対策を講じることが重要であると考えております。  このため本市では、事業所の皆さんにも従業員をはじめ施設利用者などが帰宅困難となった場合に備え、滞在できる場所や必要な物資等を確保していただくほか、施設の耐震化や設備、資機材等の転倒防止措置を講じるなど、受入れ環境を整えていただくようお願いしているところでございます。  次に、事業所において従業員を含めた帰宅困難者を受入れた場合の市の支援についてですが、帰宅困難者対応については、基本的には事業所において従業員や施設利用者等に必要な物資を確保していただくこととしておりますが、想定以上に多くの帰宅困難者を受入れた場合や避難期間が長期化した場合など、物資が不足する事態が生じた場合には、事業所からの要請に基づき、市において必要な支援を行います。  最後に、事業所が被災し、帰宅困難者の受入れができない場合の市の対応についてですが、大規模災害により事業所が被災した場合は、従業員や施設利用者などの帰宅困難者を受け入れる避難場所がさらに必要となるため、市の指定避難所や民間の一時滞在施設を最大限に活用することで、より多くの方の避難場所を確保いたします。  また、受入れ可能施設や道路の規制状況などの情報を速やかに提供することで、最寄りの避難場所への円滑かつ安全な避難誘導につなげてまいります。  現在も、市民や事業者の皆さんと連携、協力し、地域防災力の向上に努めているところでございますが、今後もより一層の連携強化を図ることで、安全で安心なまちづくりを進めてまいります。 18 ◯市民局長(草分裕美君) 生涯学習施設の活用に係る2つの御質問にお答えします。  初めに、音楽で利用できる施設の利用状況についてですが、全ての生涯学習施設で防音性能に配慮した音楽室のほか、一般的な集会室等を音楽活動に提供しております。これらの施設の利用に当たっては、部屋の防音性能と使用する楽器の音量や振動、また他の部屋の利用者や近隣住民への影響などを考慮した上で御利用いただいております。防音性能に配慮した部屋のニーズは非常に高く、特に生涯学習センターでの稼働率は71.1%となっており、そのうち5室で80%を超えている状況です。  次に、今後の施設整備についてですが、音楽利用に対する高いニーズを踏まえ、音楽利用者をはじめ他の利用者や近隣住民などの声を聴くとともに、市内の他の文化施設等の状況を考慮しながら、大規模改修などの機会を捉え、防音性能に配慮した部屋の整備を検討してまいります。   〔児嶋喜彦君登壇〕 19 ◯児嶋喜彦君 それぞれの質問に対する御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見・要望について述べさせていただきます。  まずは、新型コロナウイルスの対応についてです。  感染の第7波は8月下旬から減少傾向となっていますが、暖房を使い始めて換気がしづらくなる11月以降や年末年始の人の移動が多くなる時期には、再び感染者が増えると言われており、第6波の次にこんなに大きな第7波が来るとは思っていなかったように、第8波は第7波を大きく超える可能性もあります。  1回目の質問時にも述べましたが、感染拡大を抑制するには、しっかり検査して陽性者を特定し、陽性者を隔離することが重要だと思っています。検査には主にPCR検査と抗原検査があり、精度の高いPCR検査は、特に若者がより手軽に実施でき、人が集まる場所で無料もしくは安価で実施できるよう行政が費用を含めたサポートができる仕組みづくりをお願いしたいと思います。精度がやや低い抗原検査については、PCR検査の補完的な対応と考えますが、PCR検査に比べて安価であり、すぐに結果が出るという利点があるため、より素早く実施できるように備えればと思います。  答弁にあったように、まずは陽性者の家族など、濃厚接触者への配布がよいと考えますが、より素早く、より効率的に活用できればと思います。  例えば、自宅に家族の人数分プラスアルファ常備していて、体調がおかしいと思ったらすぐ検査してみる、濃厚接触の可能性があったらすぐ検査してみるなどといった使い方がよいと考えます。抗原検査キットは比較的安価といっても、数多く購入するとなると金銭的負担が大きくなるため、行政として購入をサポートする等、検討していただければと思います。  保健所や医療機関の負担軽減については、答弁にあったように、軽症者に対するショートメールでの健康観察、在宅ドクターサポート、重症化リスクのある患者への重点対応など、めり張りの利いた対応がよいと思います。  HER-SYSの入力も、患者情報シートを医療機関から保健所へファクスで送信し、保健所で入力するなど、医療機関の負担軽減も実施しており、医療機関では医療行為に注力できたと考えております。  しかしながら、第8波が第7波を大きく超える感染者を発生させた場合、第7波での対応では難しくなることも考えられます。首都圏の医療機関では、発熱外来者が長蛇の列になっていたとの報道もあり、医療機関ではさらにめり張りの利いた対応が必要になると考えます。重症化リスクの低い軽症者に対しては、ウェブで受付して、今後の対応をウェブで案内し、大規模接種センターのような大規模発熱外来センターを設置するなど、第7波を大きく超える感染者が出たときの備えをしてもらえばと思います。  次に、大規模災害発生時の対応についてです。  事業所における帰宅困難者の対応としては、基本は事業所が帰宅困難者の避難場所を確保し、ある程度必要な物資を準備していくことだと思います。ただし、建物が崩壊したなどで避難場所がない場合や、災害発生から数日経過し、準備していた物資がなくなった場合は、行政の支援が必要になります。ある事業所の話では、必要な物資がなくなれば、近くの避難所に避難させてもらうことになるのかなみたいな認識でしたが、実際には、帰宅困難者の避難場所がある場合は、事業所内での避難を継続した上で、必要な物資の支援を受け取ることになり、そのことが十分周知されていないことが問題ではないかと思います。  また、必要な物資のみの支援であっても、大きな事業所の場合、かなりの数量が必要となり、行政としてもどの程度の物資が必要か、事前に把握しておくことも必要かと思います。このような情報交換については、平時から行政と事業所がコミュニケーションを取り、災害時に備えておくことが必要だと思います。市内の事業所は多くあり、今の組織では全ての事業所とのやり取りは困難かと思いますので、必要であれば、各事業所との窓口となる組織を立ち上げて実務を行い、危機管理総室が把握するといったような形が好ましいのではないかと考えます。  今回は事業所での帰宅困難者の話をしましたが、多くの人が訪れる観光スポットであったり、レジャー施設での帰宅困難者も考えなくてはなりません。一次避難としても、三保松原の観光客であったり大浜プールのお客さんに対して、津波に備えた避難先はあるのでしょうか。今後も様々なケースを想定して、優先順位をつけながら対応していただきたいと思います。  最後に、生涯学習施設についてです。  全ての生涯学習施設で防音性能に配慮した音楽室のほか、一般的な集会室などを音楽活動に提供しているとのことですが、それはマイクを使わない少人数の歌であったり、音の小さな楽器であれば活動できても、管楽器や打楽器のような音が大きい楽器については、実際には使用できる施設は少ないと聞きます。仮に予約できて使用していても、近隣住民からの苦情や施設内のほかのグループからの苦情で、途中でやめざるを得ないケースもあるようです。生涯学習施設の音楽利用のニーズは高いとの話でしたが、その音楽のジャンルを整理して、音が大きい楽器を使うニーズが多ければ、防音性能が向上した施設を近隣住民の声も考慮した上で増設していただきたいと思います。特に、答弁にもありましたが、施設の新設や大規模改修を実施する場合には、考慮していただきたいと思います。  また、施設内のほかのグループからの苦情対策として、施設内の防音性能向上のほかに、音楽活動に特化した日を設定するなど、運営面での工夫もあるかと思いますので、市民のニーズをしっかり把握した上で、市民に寄り添った対応をしていただければと思います。  今回は、音楽活動の練習の場を確保するという視点でお話しさせていただきましたが、数百人から1,000人程度の観客を入れた発表の場についても、確保が難しいとも聞いております。今後、静岡市民文化会館の大規模改修も予定されており、この期間はさらに会場の確保が難しくなるとは思いますが、発表の場についても、市民のニーズをしっかり把握した上で対応していただきたいと思います。  以上で、全ての質問と意見・要望を終了させていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 20 ◯議長(望月俊明君) 次に、宮城展代さん。   〔宮城展代君登壇〕 21 ◯宮城展代君 自由民主党、宮城展代です。  通告に従い質問します。  現在、私たちは、コロナ禍の中で社会生活を営んでいます。先月、夏の高校野球甲子園球場での優勝チームの監督の言葉に多くの国民が感動しました。仙台育英の須江監督の言葉です。今の高校生は、入学式どころか、恐らく中学校の卒業式もちゃんとできていません。僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違います。学校生活に多くの制約がありますが、その中で諦めず努力を重ねてきた全国の全ての高校生に拍手してくださいという言葉は、全ての世代の私たち一人一人が、自分の置かれた場所でそれぞれ我慢しながら一生懸命生きていると置き換えて考えられたのではないでしょうか。今後もウィズコロナの社会を生きていくことになると思います。  しかし、その中でも、私たちには日本の国の未来を考えていくことが求められます。私は、その最大で喫緊の課題は人口減少問題だと思います。人口が減少すると、地域生活にも様々な問題が生じます。まず、地域の担い手不足によるコミュニティの希薄化により、地域の防犯力・防災力が低下し、災害弱者・犯罪弱者の増加を招くおそれがあります。また、児童生徒の減少に伴い、地域の核である学校の存続が難しくなり、それにより公共交通の低下が通勤・通学者や高齢者の日常生活に影響を及ぼすおそれがあると考えられます。  昨年の我が国の出生人口はおよそ81万1,000人、婚姻届の数は約51万組です。静岡市で昨年生まれた赤ちゃんは4,281人、婚姻届は2,849組です。今後、コロナ禍が収まっても、あるいはウィズコロナの社会にあっても、少子化対策では出生率を上げるために、国を挙げてあらゆる分野で地道に対策を打ち続けていくことが求められていると思います。  そして、市町村に求められているのは徹底した子育て支援と教育現場の環境の整備です。静岡市の市民満足度調査の最新の値では、子育てしやすいまちかとの問いに、前回調査よりも23.5%ダウンした36.7%でした。昨日の宮澤議員への答弁で、子ども未来局は、認定こども園、保育所等整備、そして待機児童、医療的ケア児の支援など、全面的な環境整備を通して、引き続き、子どもを産み育てやすいまちを目指すとのことでした。  私は、そこに魅力的で少し尖った静岡市らしい特色ある教育を打ち出すことも必要だと思います。例えば、官民連携した英語の授業を入れ込み、静岡型小中一貫教育で英語を学ぶと世界に通用する15歳になりますとか、プログラミング授業で日本一のホビーのまちにふさわしいロボット工学やITの人材育成をしますなどはいかがでしょうか。なぜなら、それにより、子供の教育なら静岡市とアピールでき、人口増加につながり、そして何より現在、静岡市に住む人々の満足度が上がると思うからです。  さて、その一方で、本市の教育現場には大きな問題があります。今回は、まず人口減少問題を乗り越える根幹の子育て、教育の現場から質問いたします。  現在、静岡市の教育現場で問題となっている長期欠席、いわゆる不登校の児童生徒などの困難を抱える子供たちへの対応についてです。私が、平成30年に本会議で質問したときの静岡県の数値でも、また今回公表されている令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果による数値でも、静岡県の不登校児童生徒の割合は、小学校1.11%、中学校4.7%で、全国平均より高い数値です。平成30年6月に開かれた市長肝煎りの静岡市総合教育会議においても、この不登校問題が取上げられ、本市の平成29年の不登校の小学生253人、中学生714人という現状認識の下、施策の必要性の話合いが行われました。  そこで、まず、現在の本市の小中学校不登校児童生徒の数はどのようか、伺います。  この数値の傾向をどう捉えているのか、また校内における対策では、教室以外の居場所はどのようかも伺います。  県の調査によると、小学校の不登校者は高学年になるほど増加傾向にあり、そして、どの学年においても休み始めた児童に対して迅速な対応が求められています。中学生の不登校者数は、1年生が急増していることから、いわゆる中1ギャップにより不登校に陥る生徒が多いと思われます。また、一度不登校に陥ると学校復帰が困難になる傾向が強いと考えられているそうです。  そこでお伺いしますが、本市の不登校児童生徒に対しては、適応指導教室が設置されていることは承知しています。その利用状況と成果、また課題は何か、お答えください。  次に、私が平成30年に質問した通級指導教室についてです。  不登校につながる、いわゆるグレーゾーンの発達障害の児童生徒が通常学級にいる場合、その発達に応じた学びができる通級指導教室が有効とされています。そこで、当時は通級指導教室について質問しました。通級指導教室は、開設当初は言語障害の子供たちが対象でしたが、2006年度から学習障害、注意欠陥・多動性障害、自閉症も加わり、18年度には高校にも制度ができ、全国で16万人の児童生徒が指導を受けていて、この10年で2.5倍に増えています。文科省でも、今年6月からの専門家の会議で、学校の通級指導に力を入れる議論が始まったと聞いています。先ほど申し上げた平成30年度の静岡市総合教育会議においても不登校対策が議題となり、総合的な不登校対策の実施につなげるとして、そこに不登校の未然防止のためのさらなる取組の充実とあります。  私は、当時、これが通級指導教室に当てはまるのではないかとの思いの下、質問しました。質問時は、静岡市の設置状況は、中学校では葵区、駿河区、清水区の各区に1校ずつで、1人の教員に係る児童生徒の数も多いとのことでした。国では、2017年3月に、通級に関わる教職員定数の基礎定数化に向けた法律の改正が行われました。それによると、10年間でその教員を該当児童生徒13人に1人になるよう増やしていくことになりました。ということは、基本的にはその対象生徒が13人程度在籍していれば、どこの学校にも設置できると考えます。  そこでお伺いしますが、現在の静岡市の公立小中学校の通級指導教室の設置状況と教員に係る児童生徒の数はどのようか、伺います。  また、1人の生徒が1か月に指導を受けている時間数はどのようかもお答えください。  そして、不登校の予防としての効果はどうか、今後の設置はどのように考えているのか、お伺いします。  次に、教員の研修についてです。  様々な特性を持つ子供が増える中、特別支援教育の専門知識を持っていない教員も少なくないと聞いていますが、障害のある子もない子も一緒に学ぶインクルーシブ教育も進む時代なので、どの教員にも一定の知識が必要と考えます。また、小学校では、英語教育、プログラミング授業を含むICT教育、道徳教育などの授業が必修化されています。それらに対応するためにも研修が大切です。  そこで、教員に求められる様々な分野の専門性を身につけるためにどのような研修の機会を設けているのか、お聞きします。  また、これからのグローバル社会を生き抜く子供たちのためにも、外国由来の子供たちの対応にも、教員が国際的視野を持つことが求められます。世界に輝く静岡市の教員を育てるためにも、現在、JICA海外協力隊が広く行っている現職教員特別参加制度が有効と考えます。この制度は、文科省の協力でJICAが費用を負担するので、地方自治体にはデメリットが少ない一方で、教員の満足度が上がり、その経験を基にした授業でも成果が出ているという報告も聞いています。決められた研修を与えるだけではなく、教員が学びたいという機会を後押しし、応援する取組の姿勢を示すことも大切と考えます。  また、現在、問題になっている教員の成り手不足が止まりません。特に小学校の採用倍率の低下に歯止めがかからない中、少しでも働く環境を整え、柔軟な考えで優秀な人材を集めてほしいと思います。  そこでお伺いしますが、JICA海外協力隊に参加する場合、現在の休職して無給の自己啓発等休業制度ではなく、有給の現職教員特別参加制度を活用することで、教員の思いに寄り添うことになると思いますが、教育委員会のお考えはどのようか、伺います。  次は、大項目2のヤングケアラーについてです。  ヤングケアラーとは、大人が担うようなケアの責任を引受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供を言います。一般的な子供と比べ、明らかにお手伝いやお世話にかかる時間が長く、学校に行けなくなる、友だちと遊ぶ時間がないなど、日常生活に影響が出ている子供は、ヤングケアラーとして支援する必要があると考えます。  静岡県が小学校5~6年生と全中学生、全高校生を対象に、令和3年10月から令和4年1月にアンケート調査をした結果、家族のケアをしている子供は全体の4.6%、およそ22人に1人の割合でいます。その分析の結果によると、ケアをしている子供は、母親をはじめ障害がある兄弟や弟、妹の世話など、様々な家族をケアしており、多様なヤングケアラー像が見えてきました。また、ケアの時間が長くても、特にきつさを感じていないとの回答もあり、ケアが当たり前で、きつさを十分自覚できていない子供がいると推察されます。  そこで伺います。  これは静岡県の調査によるものですが、静岡市のヤングケアラーの実情はどのように把握しているのか、お聞きします。  また、その課題は何かも伺います。  そして、その対策を静岡市はどのように進めていくのか、お答えください。  ここまでを1回目の質問にします。 22 ◯教育局長(青嶋浩義君) 不登校の現状と校内の居場所づくりについてですが、本市の不登校の児童生徒数は、平成30年度が1,084人、令和元年度が1,177人、2年度は1,127人となっており、増加傾向が見え始めた平成27年度と比較して、令和2年度は1.54倍の増加となっております。特に小学校において新規に不登校となる子供の人数が増えつつあり、低年齢化が進んでいます。  そこで、本市では、不安や悩みを抱える子供に対し丁寧に相談に応じたり、個別に学習指導を行ったりできるよう、各学校内において教室以外の居場所づくりを進めています。具体的には、令和2年度までに、必要とする全ての中学校について子供に寄り添い支援する教育相談員を配置し、別室での指導の環境を整えました。令和3年度からは、新たに小学校6校にも居場所となるサポートルームを整備し、教育相談員を配置しました。そして、これを令和4年度は10の小学校にまで拡充しています。  今後も、子供の気持ちにしっかりと寄り添い、一人一人の状況に応じた対応を図りながら、不登校の未然防止や不登校の子供たちへの支援に努めてまいります。 23 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 適応指導教室の利用状況と成果及び課題についてですが、まず、適応指導教室の本年8月末現在の利用状況は、葵区のふれあい教室に8人、駿河区のかがやく教室に1人、清水区のはばたく教室に5人、計14人が通級生として利用しています。そのほか、体験や見学等で利用している子供が29人おり、年度途中にも通級生となることがあるため、例年、年度末にかけて通級生は増加していく傾向にあります。  次に、成果ですが、不登校により外出が困難な状態から、教室以外の別室に登校できる状態や自分の学級へ入れるようになるなど、不登校の状態に改善が見られる子供の割合は毎年80%を超えており、令和3年度末は82.9%となっております。また、中学3年生の高校進学率は2年連続で100%となっています。  一方で、課題については、小学校低学年と中学生では、学年差が大きいことから、一緒に活動することが難しく、利用者の多くが中学生に偏っていることです。そのため、3年度から月に2回、中学生の利用がない時間に小学生のみを対象とした教室を開催しており、子ども若者相談センターにおける不登校の相談対象者に対し、活動への参加を呼びかけているところです。  不登校の背景は様々で、適応指導教室のような小集団であっても属することが困難な子供が多くいるため、今後も一人一人の状態を丁寧に把握していくことで、学校への復帰など、自らの目標に向かって取り組むことができるよう支援を行ってまいります。 24 ◯教育局長(青嶋浩義君) 通級指導教室の現状と不登校の予防としての効果、今後の設置についてですが、通級指導教室は、通常学級に在籍し、言語障害や自閉症等により一部特別な指導を必要とする児童生徒が、特性に応じた指導をふだん在籍する学級とは別の場所で受ける仕組みです。  本年度の状況ですが、全部で12の小中学校に配置し、4月現在で449人の児童生徒が通っており、担当教員数は40人となっており、単純計算ですが、教員1人当たり11人強となっております。指導回数や時間は個々の児童生徒の状況によって異なりますが、週1回1時間程度を基本としています。特別な支援を要する児童生徒の中には、学習や対人関係の困難さなどの不適応から不登校につながるケースもあり、通級指導教室で特性に応じた指導を受けることで、適応状況に改善が見られる場合がございます。  実際に各通級指導教室が指導を受けている子供の保護者に対して行ったアンケートでは、感情が高ぶったときに自分で対処できるようになった、友達とのトラブルが少なくなったとの回答がありました。  今後の設置については、対象となる児童生徒数の推移等を踏まえつつ、通級指導教室に使用できる教室の確保などの環境条件も考慮しながら、学校や保護者の要望に応えられるように検討してまいります。
     今後も通級指導教室の一層の充実に努めてまいります。  次に、教員の人材育成に関する2つの御質問にお答えします。  まず、様々な分野の専門性を身につけるための教員研修についてですが、本市では、静岡市が目指す教員の姿、教育にひたむきな教師、優れた専門性を持ち、心身ともに健康で、豊かな人間性を兼ね備えた人の実現のため、大きく3つの研修を実施しています。  1つ目は、経験年数や職責に応じて対象者全員が参加する研修です。例えば初任者研修では、基礎期の教員に必要な内容として、子供の多様なニーズに対応するインクルーシブ教育に関する研修を実施しています。  2つ目は、教育委員会や校長から推薦された教員が参加する研修です。例えばICT教育推進リーダーで構成する情報教育推進研究会では、先進的な研究を行い、その成果を各校での活用推進につなげています。  3つ目は、教員が自主的に参加する研修です。令和4年度は、性の多様性に関する教育や外国語教育など、様々な分野について学ぶことができる研修を39講座開設し、延べ2,500人が参加します。研修実施の際は、今日的な課題や対応策を学ぶため、文部科学省や大学から講師を招くとともに、目的に応じてワークショップや実技、演習なども取り入れています。  あわせて、教員が受講しやすい環境として、希望研修を夏季休業期間中に集中して設定したり、所属する学校にて受講できるオンライン研修を実施したりするなどの工夫を行っています。  今後も、教員が学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、主体性を発揮しながら子供の学びを支えるために必要な専門性を習得できるよう、教員研修を実施してまいります。  次に、JICAの現職教員特別参加制度の活用についてですが、本市では、子供たちのグローカル人材育成のため、小中学校の教員が国際的なコミュニケーションや異文化理解の能力を身につけることは、大変重要であると考えています。このため、教員の英語能力及びコミュニケーション力の向上並びに国際的な視野の拡大を目的に、アメリカのシェルビービルやオマハ等の姉妹都市への派遣研修などを行っているところであります。JICAの現職教員特別参加制度は、教員が開発途上国において国際教育協力に従事し、コミュニケーション力などを身につけることによって、国際化のための資質を児童生徒に波及的に広めることが期待できますが、現状では、本制度を活用するための必須条件となる職員の継続的な確保が困難であることから、本市では派遣しておりません。  なお、ボランティアとして本人からの申請があった場合は、無給ではありますが、自己啓発等休業制度による現職参加を認めております。  本市としては、引き続き姉妹都市への派遣研修を実施しつつ、JICAの現職教員特別参加制度の積極的な活用も含め、教員が国際的なコミュニケーションや異文化理解の能力を身につけることを目的とした人材の育成につながる効果的な取組について検討してまいります。 25 ◯副市長(大長義之君) ヤングケアラー対策についてお答えいたします。  まず、本市のヤングケアラーの実態と課題についてでございますが、ヤングケアラーについては、本人の自覚や周囲にいる大人の認識が弱く、表面化しにくいという実態があるため、議員御指摘のとおり、令和3年度に県がヤングケアラーに関する実態調査を行いました。この調査によりますと、本市の小学校5年生から高校生までのうち、4.8%に当たる1,942人が家族の中に自分がケアしている人がいると答え、本市にも国や県とほぼ同じ割合のヤングケアラーがいることが分かりました。また、ケアの内容は、主に食事の準備や洗濯などの家事や、幼い兄弟姉妹の世話などで、それらに多くの時間を割いていることから、宿題や勉強をする時間が取れない、睡眠が十分に取れないなど、自分のための時間が制約されているという実態も分かりました。加えて、この調査から2点の課題が明らかになりました。  まず、1点目の課題ですが、ケアを行うことについて、特にきつさを感じていないと答えた子供が7割程度あり、家族に対する責任感や正義感から、多くの子がケアを行うことを当たり前のことと捉えているため、ヤングケアラーが潜在化してしまうことです。  次に、2点目の課題ですが、調査では、話を聞いてほしい、ヘルパーなどに手伝いに来てほしいなどの声があり、ヤングケアラーが困難な状態に置かれているため、負担を軽減することが必要だということです。  これら2点の課題を踏まえて、次のように対策を進めてまいります。  まず、1点目の課題に対しては、ヤングケアラーが潜在化しないために、ヤングケアラーとはどのような状況に置かれた子供であるのか、より多くの当事者や市民に理解をしていただくために、令和4年度は広報用ポスターとリーフレットを障害者や高齢者支援に係る関係機関の相談窓口や市内全ての小中高等学校に配布し、周知啓発を図りました。また、ヤングケアラーの状況を把握するためのチェックシートや支援をつなぐ先などを明示し、ヤングケアラーを把握した際に、学校等の関係機関が共通認識の下に対応できる指針を示した本市独自のガイドラインを作成中であり、年内の完成を目指しております。  今後は、このガイドラインを活用し、ヤングケアラーの早期発見につなげてまいります。  次に、2点目の課題に対しては、ヤングケアラーを個々の家庭状況に応じたサービスにつなげられるよう、令和5年度には仲介役となるコーディネーターを子ども若者相談センターに配置し、コーディネーターが学校等に出向いて聞き取りや面談を行い、支援計画を立てるアウトリーチ型支援を実施するなど、学校をはじめとする関係機関との連携を強化してまいります。また、ヤングケアラーの負担をさらに軽減するために、家事支援を行うヘルパーの派遣やヤングケアラー同士の交流の場の設置等を検討してまいります。これらの取組により、困難を抱える子供、若者が夢や希望を持って成長することができるよう、施策を進めてまいります。   〔宮城展代君登壇〕 26 ◯宮城展代君 次は、大項目3の交通政策の交通弱者対策について伺います。  交通弱者とはいろいろな捉え方がありますが、ここでは自動車中心の社会において、年少者、要介護者、一部の高齢者や障害者など、自分で運転することができず、自家用の交通手段がないため、公共交通機関に頼らざるを得ない人、また公共交通機関が整備されていないため、買物や通院など、日常的な移動にも不自由を強いられている人のことを伺います。  私たちが自立した生活を営む上で移動は欠かせないものですが、私たちの生活スタイルの変化や急激な人口減少・少子高齢化による通勤・通学者の減少など、公共交通を取り巻く状況は厳しさを増しています。このままでは、公共交通が成り立たなくなる可能性があります。安心して住み続けていくためには、このような社会状況に対しても持続可能な交通システムをつくり上げていくことが必要です。  私は、総合交通政策特別委員会に所属していた時期に、何度か視察を重ねました。コミュニティバスの運用をしている武蔵野市のムーバス、つくば市のAIデマンドタクシー、宇都宮市では既存の公共交通との共存が課題のデマンド型タクシーの政策を学び、また、県内では磐田市のお助け号の予約型乗合タクシーも見てまいりました。そのどちらも、高齢化社会で高齢者を支えるためには、ドア・ツー・ドアの移動サービスが求められているとのことでした。  一方で、静岡市の交通政策も、次世代のMaaSという交通サービスを研究し、実証実験を重ねていました。今年1月から3月まで、乗り合いでお得に自由な移動を買物や通院にとの下に実施したしずおかMaaSオンデマンド乗合サービスは、多くの高齢者から評価を得たと聞いています。ぜひ実現していただきたいと思っています。  今後、自立した暮らしを自宅で送りたい、また送らなければならない高齢者世帯がますます増える中、たとえ公共交通のバス路線が通っていても、バス停までの200メートルの歩行が困難で、苦痛を伴う高齢者が増えていくと予想されます。  そんな中、7月より葵区で民間の一般社団法人静岡TaaSがタク放題というタクシーの全く新しいサービスの実証実験を始めました。これは、エリア内を月額定額で乗り放題できるというサービスです。私は、このTaaSなど、タクシーを使ったドア・ツー・ドアの交通サービスは、買物や通院など福祉的観点からも必要と考えます。また、高齢者の足の確保により出かけることができれば、高齢者の孤立を防ぎ、社会参加の継続にもつながります。  そこでお伺いしますが、今後の交通弱者対策にもタクシーは有効と考えます。このタクシー業界の現状と支援をどのように考えているのか、お聞きします。  そして、今後、例えばTaaSのようなタクシーを安価に利用できる民間の交通サービスが実現した場合、ドア・ツー・ドアの移動が今より気楽にできると思います。今まで視察で訪れた先や、静岡市の高齢者の集まるS型サロンやおしゃべり会でよく聞く話ですが、買物や通院の移動を家族に頼むが、度重なると申し訳なく頼みにくいと言います。核家族化も進んでいるので、子供たちが遠方に住んでいる場合も多く、また、近くに住んでいても生活スタイルが違うので気兼ねをしてしまい、そのため移動に無理して自転車を使ったり、自信がない運転を重ねているということを言っています。先日お会いしたスーパーマーケットの経営者によると、各店舗で月に一度は高齢者の運転によるヒヤリハットの現象が現実に起こっているそうです。  そこで、例えば70歳以上の人に対するドア・ツー・ドアの移動支援の施策では、サービスの制度設計の段階から高齢者福祉の考え方も入れて関わることができれば、静岡市が進めている、本人が望めば自宅でずっと自分らしく暮らすことも可能と考えます。  そこで質問です。  高齢者にとって真に利用しやすい移動サービスの仕組みづくりに向け、福祉の観点からどのように支援していくのか、お聞かせください。  以上2回目です。 27 ◯都市局長(八木清文君) タクシー業界の現状と支援をどう考えているかについてですが、市民が自立した生活を営む上で、移動は欠かせないものであり、誰もが自由に移動できる社会を目指す中で、交通政策は重要な役割を担っております。  そこで、現在、バス停や鉄道までの移動を負担に感じる交通弱者への対策が喫緊の課題と認識しており、本市としては交通業界とも連携し、タクシーなどを利用した身近で小回りが利くファースト・ラストワンマイル交通の充実を検討してきたところです。  昨今のタクシー業界を取り巻く現状は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による利用者の減少、さらには燃料費高騰の追い打ちもあり、大変厳しい状況下にあります。こうした状況を鑑み、高騰する燃料費を補助する補正予算を本議会に提出したほか、交通施策の一環として高齢者を対象にワクチン接種会場までのタクシー運賃を助成するらくタク事業を行うなど、タクシー業界への支援を実施してまいりました。  議員のお話にもありましたが、本年7月から民間タクシー事業者による定額乗り放題タクシーサービス、タク放題の実証実験が開始されました。このような利用者の移動手段の選択肢を広げる取組は、誰もが安全・安心、快適に移動することができる社会を目指すMaaSの基本理念と一致することから、本市としても積極的に業界の後押しをしていきたいと考えております。 28 ◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 高齢者にとって真に利用しやすい移動サービスの仕組みづくりに向け、福祉の観点からどのように支援するのかについてですが、高齢になって運転免許証を返納したり、要支援・要介護状態になっても、住み慣れた地域で生きがいを持って暮らしていけるよう、高齢者の利用しやすい移動手段の確保は重要な課題と認識しております。  このため、高齢者福祉の観点からは、これまで介護保険制度の事業の一環で、地域の支え合いによる移動や外出の支援に取組、足久保地区や藁科地区で、ボランティアが車を運転して高齢者を買物に連れていくサービスを創出できました。  また、高齢者を含む交通弱者対策として、AIを活用した乗合型のタクシーをはじめとした新たな移動サービスの仕組みづくりが進められています。この仕組みづくりには、福祉部局を含む関係部局が企画の段階から参画し、地域包括支援センターを通じ高齢者の金銭感覚や情報の入手方法などを把握した上で、料金設定の在り方やサービスの周知方法について意見交換してきました。  今後、高齢化の進展とともに高齢者の移動支援の必要性がますます高まると考えられることから、関係部局の連携をより一層強化し、高齢者にとって真に利用しやすい仕組みづくりを進めてまいります。   〔宮城展代君登壇〕 29 ◯宮城展代君 3回目は、意見・要望です。  静岡市は、気候が温暖で風光明媚、人柄も穏やかで食材も豊富です。ここ最近の移住相談の件数も多く、市民満足度調査でも、これからも静岡市に住み続けたいと思う割合は、最新の数値でも83.3%で、引き続き高い数値です。  一方で、今回、質問した不登校問題では、全国平均より高い数値で、学校に通えない子供たちが多く、また増え続けている現状があります。国は、平成29年、不登校の子供に対する対応を見直し、不登校の児童生徒が教育の機会を損なわないことを目的にした教育機会確保法が施行されました。また、今年6月、日本で初めて子供の権利を大切にしようという法律、こども基本法が成立し、来年にはこども家庭庁が設置されることになり、全体的な環境は整えられてきています。  しかし、不登校問題に関しては、一人一人の課題に寄り添うことが特に求められていると思います。子供の居場所は、学校や適応指導教室だけではなく、民間のフリースクールやNPOの学習塾、子ども食堂など、柔軟な考えで見守ることが必要と考えます。ICT教育が進み、オンライン学習で一定の時間を満たせば、在籍校の校長判断で出席と同等に認められる出席扱いの制度も活用して、学習や社会とのつながりを維持できるよう指導していただきたいと思います。  また、不登校を未然に防ぐため、通級指導教室が私は有効と考えます。いろいろな制約があると思いますが、通常学級にいながら、本人が学びたい通級に通うことができるよう、条件を緩和して静岡型通級指導教室を各学校に設置していただきたいと思います。  ヤングケアラーについては、家族のケアがつらいと感じている子供と、お手伝いは当たり前だと思う子供の温度差があります。そこには親の看病や兄弟の世話、働く親に代わる家事や経済的な支えなど、様々なヤングケアラー像が見えます。本市にも気楽に相談できる場所が必要であり、ケアが当たり前で、きつさを十分自覚できない子供の状況に周りの大人が気づき、手を差し伸べる取組にも対応し、寄り添っていただきたいと思います。  最後は、交通政策です。  本市が第3次総合計画で掲げている5大構想の中に健康長寿のまちづくりがあります。人々が地域で自分らしく生きがいを持って暮らし続けることができるよう、静岡型地域包括ケアシステムを構築するとともに、本市の恵まれた生活環境を生かし、さらなる健康長寿の延伸に取り組むことによって、世界に誇れる健康長寿のまちの実現を目指すとしています。  しかし、他の自治体と同様、本市も人口減少とともに高齢者人口が増加して高齢化が進んでいます。高齢化率は、政令指定都市の中でも高い数値にあり、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、31.9%となることが予想されています。また、その世代は核家族化が進み、免許証返納時期も重なっているため、交通弱者と呼ばれています。病院への通院、買物、会合等への移動支援が求められています。本人が望むなら、最後まで自宅で、地域で自立した暮らしをしていくことが多くの高齢者の望みですが、ただ、そのためには高齢者も学んでいかなければなりません。それは、今後、多くの場面でデジタル化が進み、例えば市役所への届出や申請も、またデマンド交通を利用するにも、アプリなどを使うことが必須になると思うからです。その社会が来たときの対応に困らないよう、今から備えていくことも大切です。ぜひその時々に必要な支援を高齢者に寄り添って進めていただき、交通政策部局と福祉部局がタッグを組み、そこにデジタル化推進部局も入れたワンチームで、新しい静岡型高齢者移動サービスをつくり上げていただくことを要望します。  今後の静岡市の取組が超少子高齢化社会を乗り切る先駆けとなることを期待し、以上で全ての質問を終わります。 30 ◯議長(望月俊明君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時45分休憩    ───────────────────         午後1時再開 31 ◯副議長(佐藤成子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、栗田裕之君。   〔栗田裕之君登壇〕 32 ◯栗田裕之君 皆さん、こんにちは。  今回の質問は2つありまして、1つ目は中部横断自動車道、2つ目が犯罪被害者支援についてであります。  初めに、中部横断自動車道についてであります。  中部横断自動車道の静岡山梨間が、8月29日、全面開通から丸1年を迎えました。清水区の新清水ジャンクションから長野県小諸市の佐久小諸ジャンクションまでの132キロメートルの高速道路であります。  今回、開通1年を迎えた中部横断自動車道がどのようになったかということに大変関心がありますが、開通により、今後、観光、沿線都市との交流、それに物流面での動きをどう捉え、どのような具体的対応が取れるのか。また、既にどんな事業を実施しているのかに関心があります。ちなみに、この自動車道開通による経済効果は、年間135億円とも言われています。  国土交通省甲府河川国道事務所と中日本高速道路は、中部横断自動車道の静岡山梨間の全線開通から約半月後の交通状況を発表しております。8月29日の開通区間につながる有料の富沢インターから新清水ジャンクションの間は、開通前と比べて平日で1日当たり3割増しの4,700台となり、休日で4割増しの8,300台となったそうです。開通した無料区間は1日当たり平日が7,700台、休日が1万1,400台とのことでした。開通に伴い、並行する国道52号は、平日で1万1,400台、休日で9,300台となり、いずれも2割減少。中部横断道との合計では、平日が2万100台と1,000台増にとどまり、休日も2万1,300台と増加幅は2,600台だったそうであります。  甲府河川国道事務所は、開通により国道から中部横断自動車道へのシフトが順調に進んだと評価しております。ただし、並行する国道を含めた全体の交通量はあまり増えておらず、新型コロナウイルスの感染が落ち着いて、インバウンド──訪日外国人が戻り、建設中、計画中の工場や物流拠点が稼働すれば増加は期待できるとしています。  このような状況の中、コロナ収束後の中部横断自動車道の有効活用を目指すべき施策として、観光交流、沿線都市交流、物流交流の3点を挙げてみました。  まず、観光交流については、中部横断自動車道の開通を地域活性化につなげていくために、観光面に力を入れていくことが考えられるわけであります。静岡県と山梨県の企業や自治体の動きを見ると、観光PR活動の強化を通じて成果を上げる商業施設や、新たな観光コースの設定で観光需要の開拓を狙う事業者が見られ、おのおのの自治体が観光や産業面での交流人口を増やすための取組の強化を行っております。  甲府市とは、静岡市・甲府市連携交流会議を設置して、行政、商工会議所、観光協会、JAなどとPRブースの出展などを実施しているとのことであります。今年は静岡市の有力な観光スポットを県内外にPRする絶好のチャンスであります。今年度当初予算には、数々の観光客誘致のための予算も計上されているわけですから、それらの活用の対応を望むものであります。  例えば、大河ドラマ活用推進事業とか、観光施設リニューアル事業、歴博施設オープンとか、まちは劇場推進事業、ナイトツーリズム推進事業など数多く見られ、従来から実施の人気事業である大道芸ワールドカップなどや、従来の有名観光地が数多くある市内のあちこちで、観光スポットが歴史と伝統に支えられ、どのような観光客にも対応できるまちとして、静岡市は十分な観光交流の条件を備えているわけであります。  私が要望したいのは、これだけの豊富な観光資源がありながら、それらが十分に活用されているのかということであります。中部横断自動車道開通を機に、またとない観光交流のチャンスとして、山梨、長野、新潟と、観光戦略で積極的に事業を展開することの必要性を感じております。  ここで、質問です。  中部横断自動車道開通が、観光交流の促進にどのような効果を与えているか、お答えいただきたいと思います。  次に、沿線都市との交流についてですが、旧清水市時代からの友好都市である長野県佐久市と、姉妹都市である新潟県上越市があります。佐久市とは、野菜、果物の相互販売や、サッカーの結びつきがあり、上越市とは、旧高田市との中学生交歓が約50年間行われたと記憶しております。当時のキャッチフレーズが「君は太平洋を見たか。僕は日本海を見たい」でした。そんな中、中部横断自動車道の開通により、再び姉妹都市交流や経済交流、文化交流などが、この2まちやその他のまちで広がることを期待しているところであります。  そこで、質問です。  沿線都市との交流は、どのように進めていくのか、伺いたいと思います。  続いて、物流関係についてですが、ここで、静岡、山梨、長野の3県の経済規模を見てみると、静岡県は全国シェア約3%で10位、山梨県は全国シェア約1%で42位、長野県は全国シェア約1.5%で18位のようであります。したがって、山梨県の経済規模は、静岡県の約5分の1、長野県が約2分の1となっています。  物流では、トラック貨物量は、山梨、長野は静岡県の半分であり、静岡県は輸出の5割強、輸入の7割強が清水港であるが、山梨は輸出入の半数以上を東京港、横浜港で行っており、清水港からの輸出は3.3%にとどまっているのが現状のようです。ただし、輸入については清水港が35%と3分の1を占めています。また、長野県は輸出の半数以上、輸入の約4割が東京港、横浜港であり、名古屋港からの輸出が24%、輸入が34%とかなり高いわけであります。清水港は輸出が16%、輸入が3.6%と極めて少ない状況であります。  このように、物流面では、現在では3県間のつながりは極めて弱く、今後の拡大に期待したいと思います。  ここで質問ですが、中部横断自動車道が開通し1年が経過したが、現状を踏まえ、清水港のコンテナ取扱量の増加に向けて、どのように取り組んでいくのか、お答えいただきたいと思います。  1回目の質問は終わりです。 33 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 中部横断自動車道の観光と沿線都市との交流に関する2点の御質問にお答えします。  まず、中部横断自動車道の静岡山梨間の全線開通による効果についてですが、令和3年10月と12月に、本市が山梨県、長野県の大型商業施設において、合わせて約600名を対象に実施したアンケート調査の結果によりますと、両県とも9割以上の方々が、アクセス向上により静岡市への訪問意欲が高まったと回答しております。特に、海の幸やマリンレジャーを楽しみたいという声が多く聞かれました。  実際に、山梨県向けにプロモーションを行いました用宗海岸海水浴場におきましては、来場した自動車の県外ナンバーの比率が、コロナ禍前の令和元年度に比べ約7%増加しております。  また、清水区の観光関連事業者に行いましたヒアリングでは、これまで少なかった長野県の松本市や伊那市などからの観光客が増加したという声も寄せられ、開通効果が出始めていると感じております。  さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により増加した、山梨県から本市を訪れる教育旅行に関しましては、全線開通によって移動時間が短くなった分、市内に滞在する時間が増えたため、お茶摘み体験や清水港クルーズなどの体験プログラムの利用者数が、令和2年度から3年度にかけて約44%増えております。  このように、中部横断自動車道の静岡山梨間の全線開通により、甲信地方の方々の来静意欲が高まり、実際に本市への来訪と滞在時間の延長につながっており、観光交流の促進に好影響を与えているものと認識しております。  次に、沿線都市との交流をどのように進めていくのかについてですが、主に2つの狙いを持って交流人口の拡大に向けた取組を推進してまいります。  1つ目は、交流の歴史がある姉妹都市の上越市、友好都市の佐久市との関係強化です。両市とは、互いの都市で開催されるイベントへの相互出展や、スポーツを通じた交流を続けており、今年度も両市で開催される物産展で観光PRや特産品の販売などを行います。  今後も、観光をはじめ、経済、スポーツなど、様々な交流イベントをきっかけに、人の行き来につながるような交流、連携を強化してまいります。  2つ目は、集客プロモーションパートナー都市である長野市、甲府市など、中部横断自動車道沿線での核となる都市における情報発信の強化です。比較的多くの人口と経済圏を抱えるエリアをターゲットに絞り、大型商業施設での観光キャンペーンや、テレビ、ラジオ、インターネットなどのメディアを活用した情報発信、広告宣伝などを展開してまいります。  特に、公民連携による観光キャンペーンとして、令和3年12月には、松本空港近郊の商業施設で開催された静岡フェアに出展したほか、去る9月17日には、静岡と甲府の青年会議所が甲府駅前で開催したY級グルメコレクションに出向き、多くのお客様がにぎわう場所で、市内企業の物販とともに観光のPRを行い、その効果に大きな手応えを感じているところです。  このように、交流先に応じて効果的な手法を検討しながら、沿線都市との交流を強化し、本市の魅力発信と交流人口の拡大につなげてまいります。 34 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 中部横断自動車道開通後の現状を踏まえ、コンテナ取扱量の増加に向け、どのように取り組んでいくのかについてですが、本市のほか、国、県及び民間で組織する清水港利用促進協会は、これまで山梨県甲府市においてセミナーを開催し、清水港へ利用転換する企業を獲得するなど、着実にその成果が現れております。  一方、本年3月、新たな取組として、長野県松本市と佐久市において利活用説明会を開催したところ、さきの新聞報道にもあったとおり、清水港が国際貿易港であることが十分知られていないという現状が明らかになりました。こうした現状を踏まえ、まずは長野県の荷主企業には、清水港が地方では唯一欧州航路が寄港する国際貿易港であることを認知していただくとともに、長野県のみならず山梨県の荷主企業にも、これまで以上に清水港を利用するメリットをPRしてまいります。  具体的には、清水港には国際定期コンテナ航路のほか、RORO船や国内コンテナ船による日本各地への輸送網があること、また、ターミナルでの待ち時間が、東京港、横浜港に比べ約4分の1の17分と非常に短時間であることに加え、中部横断自動車道の開通により、例えば、甲府市から東京港を利用する場合の往復所要時間が、清水港を利用した場合、1時間50分も短縮できること、さらには、令和4年度より甲信地方発着のコンテナ1個当たりの助成を2倍に増額したインセンティブなど、これら様々なメリットを、セミナーや清水港物流視察会等で継続的にセールスするとともに、開通により沿線に立地した新たな荷主企業への訪問など、コンテナ取扱量の増加に向け取り組んでまいります。   〔栗田裕之君登壇〕 35 ◯栗田裕之君 続きまして、大項目2、犯罪被害者支援条例について伺います。  犯罪被害者という言葉を皆さんは御存じでしょうか。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、例えば、ある日突然、まちなかで暴漢に切りつけられたり、電車内でガソリンに火を放たれたり、見ず知らずの犯人に突然襲われ、傷ついたり命を奪われたりする事件のことです。
     犯罪被害に遭うのは大変つらく悲しいことです。突然のことに心も体も対応できません。そこで、行政窓口や警察、裁判所で複雑な手続をしなければいけなかったり、転居を余儀なくされたり、仕事を辞めざるを得なくなったり、経済的負担を負ったりと、様々な形で苦しめられております。多くの人々は、まさか犯罪被害に遭遇することを考えたり想定することはありません。しかし、誰もがある日突然、犯罪被害者やその家族、遺族になり得るおそれがあります。  市は、市民にとって最も身近な存在であり、保健医療、福祉制度の実施主体であります。犯罪被害者等が受けた被害を早期に回復または軽減し、生活を再建していくためには、犯罪被害者等の立場に立った適切な支援を途切れなく提供するとともに、市民、事業者等が、犯罪被害者等の置かれている状況について理解して、地域で温かく支えることが必要であります。  犯罪被害者の支援を充実させる動きが全国で広がっています。県内では今春、9市町で支援条例が新たに施行されました。ただ、国の予算は、国外の先進事例と比べると見劣りし、県内でも居住市町によって見舞金額に差があることなど、多くの課題が残っております。  本市においては、このような条例制度を踏まえずとも、静岡市犯罪等に強いまちづくり条例や、静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画により、犯罪被害者の支援を明示し、支援を行ってきましたが、犯罪被害者に寄り添った経済的支援やサポート等の必要性を鑑み、さらに充実した支援が行えるように、新たな条例を制定する必要性を感じています。  市民の身近なところで起こる犯罪は、いまだに多く発生しており、そのような犯罪をいかに抑止するか、また、不幸にも犯罪に見舞われてしまった人が、その被害を回復し、元の平穏な生活を営むことができるように、課題の克服に努力をお願いしたいところであります。  ここで、質問です。  静岡市における犯罪被害者支援のこれまでの取組と、今後、どう取り組んでいくのか、お答えいただきたいと思います。  2回目の質問を終わります。 36 ◯市民局長(草分裕美君) 静岡市における犯罪被害者支援のこれまでの取組と今後の取組についてですが、本市では、議員からも御紹介いただいたとおり、静岡市犯罪等に強いまちづくり条例及び静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画に基づき、犯罪被害者支援に取り組んでいます。  被害者からの相談、問合せに対しては、生活安心安全課内に、犯罪被害者等支援総合窓口を設置し、支援に関する情報提供や関係機関、団体への橋渡しを行っています。  また、被害者支援に携わる職員の知識と理解を高めるため、専門知識と経験を有する外部講師を招いた研修会を開催しています。さらに、市民の皆さんに対する周知啓発としては、犯罪の被害に遭われた御遺族を講師に迎えた講演会や、被害者遺族の手記を紹介するパネル展などを開催することにより、犯罪被害者支援に対する理解促進を図っています。  今後の取組としては、現在行っている第3次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画の策定に合わせ、パブリックコメントによる市民の皆さんからの意見や、学識経験者等で構成する静岡市犯罪等に強いまちづくり推進審議会での協議を踏まえ、被害者や被害者家族に寄り添った支援の強化や、経済的な困難に対する支援を盛り込むなどの検討をしていきます。  今後も引き続き静岡県警や犯罪被害者支援センターなどの関係機関、団体と連携を図りながら、犯罪被害者支援を進めてまいります。   〔栗田裕之君登壇〕 37 ◯栗田裕之君 3回目ですから、意見・要望を言いたいと思います。  中部横断自動車道については、静岡山梨間の所要時間は約95分で、これまでより約1時間短縮されました。これによる経済効果は、年間16億6,600万円と言われております。静岡、山梨、長野間の物流面でのつながりは強いとは言えないが、中部横断自動車道の開通により、取引が活発化していくべきであると思うのですが、現状はかなり厳しいようであります。  中部横断自動車道の開通を地域活性化につなげていくためには、まず、効果が出やすい観光面での取組が一番期待できるのではないかと思います。  山梨県の長崎知事は、内陸の海なし県、空港なしの課題があり、開通により、清水港、富士山静岡空港が活用しやすい環境が整うと、開通の意義を強調しており、期待しております。  清水といえば港のイメージがあり、富士山を借景に、日本一のポテンシャルがあり、美しい三保の海と世界遺産、久能山の貴重な歴史文化財、種類豊富な動物園、家康公の駿府城公園、にぎやかな呉服町名店街エリアなど、静岡市は数々の観光資源であふれています。観光大国とは、自然、気候、文化、食だと言われています。この4条件を満たしているのが静岡市です。ですから、静岡市は日本一のポテンシャルの可能性があるまちです。もっともっとそのよさをPRして、また、営業によって誘客に努めるべきであります。今はコロナの影響で入り込み客やインバウンドも下火ではありますが、コロナ以降の準備を民間との連携により積極的に対応されることをぜひ期待しています。具体案については、アイデアと能力を兼ね備えた担当職員にお任せすることといたします。  なお、できることであれば、国道52号線の適地に道路休憩施設があれば、来静されたお客様が一息入れる休憩スペースとして、より喜ばれるのではないかと私は思っております。  次に、沿線交流ですが、積極的な交流を期待しています。そんな中、山梨県と静岡県との間で、医療健康産業政策の連携に関する協定が締結されています。そのほか、集客プロモーションパートナーシップ協定、市内イベントにおける沿線地域交流促進コーナーの設置や、沿線地域イベントへの静岡市PRブース出展、沿線地域との相互訪問等によって、地域間交流の促進をさらに進めてほしいと要望しておきます。  流通に関しては、清水港の海運貨物取扱業者は4社であり、この4社で清水港のほぼ全てを占めており、貨物は精密機械や自動車、魚介類や資源などであります。しかし、中部横断自動車道の開通により、甲信地域からの競争相手も出現しているようであり、清水区の4貨物取扱業者も厳しい顧客獲得競争を勝ち進んでいかなければならないのであります。利用促進のための公の助成制度を説明しても、清水港の船の少なさや航路不足などで、コスト面から厳しい競争になっていると聞いております。このような状況の打破には、個々の会社の努力が必要ではありますが、インフラ整備や企業誘致などの行政からの後押しも必要ではないかと思っております。長期的な見地からも、官民連携も視野に入れた政策の実行を望みます。  最後に、犯罪被害者についての要望であります。  私がなぜこの犯罪被害者支援条例を提案したかといいますと、私ごとになりますが、平成8年より26年ほど保護司を担当してきました。保護司は、御承知のとおり、加害者の立場に立った様々な対応をしていますが、犯罪被害者は180度逆の立場であります。しかし、被害者の現状は大変厳しいものがあり、社会的にもあまり日の差すことのない環境に陥っているのが現状です。社会的にも隅に追いやられているような状況が続いていると聞いております。  この活動支援組織として、静岡犯罪被害者支援センターが市内にあります。ここでは被害者や遺族に対しての相談、物品の提供や貸与、役務の提供、カウンセリング、弁護士相談、付添い行為などの直接支援などを、警察などと連携を取りながら熱心に行っております。  平成16年に、国が制定した犯罪被害者等基本法には、地方公共団体は、犯罪被害者等の支援等に関し、地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると書かれております。  都道府県・政令市における犯罪被害者等支援を目的とした条例については、令和4年8月現在、47都道府県中32都道府県、20政令市中12市、1,721市町村中384市町村が条例の制定を既に行っております。  なお、静岡県内の特化条例…… 38 ◯副議長(佐藤成子君) あと1分です。 39 ◯栗田裕之君(続) 制定市町は、35市町中18市町が、その条例を制定しております。  静岡県が平成27年、浜松市が今年の4月に条例を制定済みとなっております。静岡市におきましては、犯罪被害者等支援に特化した条例制定には至っておらず、したがって、県と同様に各種見舞金、助成金制度がありません。一日も早く課題を解決して、早期に条例が制定されますよう願っております。  これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 40 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、長島 強君。   〔長島 強君登壇〕 41 ◯長島 強君 皆様、こんにちは。公明党静岡市議会の長島 強でございます。  今定例会の質問は、大項目、リサイクルについて、子育て支援について、安心して利用できる公共施設についての3点であります。通告に従いまして、順次、質問してまいります。  大項目1つ目は、リサイクルについてです。  初めに、プラスチックのリサイクルについて伺ってまいります。  私たちがふだん何げなく使っているプラスチックですが、プラスチックとは一体何なのか、ここで一度確認をしておきたいと思います。  プラスチックは、主に炭素と水素からなる高分子化合物で、石油や天然ガスなどから作られております。日本では原油を精製してできるナフサを原料とするものがほとんどのようです。人工的にたくさんの分子を合成しているのが特徴で、天然の漆や松やにの木から出る樹脂を参考に作られていることから、合成樹脂とも呼ばれております。  プラスチックには、レジ袋、食品用ラップ、バケツなどのポリエチレン、ペットボトル、卵の容器などのポリエチレンテレフタレート、ホース、水道管などのポリ塩化ビニルなど、たくさんの種類があります。成分や性質が異なることによって、加工しやすい、軽くて丈夫、長もちする、電気を通しにくい、色をつけやすい、薬品に強い、衛生的など様々な特徴を生み出しています。さらには、大量生産ができ、値段が安いということもあって、いろいろな製品に使われ、身の回りにあふれるようになったことは周知の事実であります。  しかし、プラスチックは、利便性が高い一方で、優れた耐久性、安定性から、分解されにくい点で自然界におけるデメリットになってしまい、ごみ問題が発生するきっかけにもなっています。  プラスチックは、燃やすと温室効果ガスの二酸化炭素が排出されるので、地球温暖化を招くなど、環境破壊の原因になる点を見逃すことはできません。プラスチック循環利用協会によると、令和2年の国内の廃プラスチック総排出量は822万トンで、そのうち86%が有効利用されているとのことです。しかし、その内訳を見ると、62%はサーマルリサイクル──熱回収と呼ばれる焼却処理となっています。サーマルリサイクルとは、使い終わったプラスチックを、ガスや油、固形燃料などに変えたり、焼却時の熱を蒸気や発電などで利用したりすることですが、リサイクルの一環とはいえ、燃焼時に発生する二酸化炭素の排出は依然、問題となっています。未利用の中には、単純焼却もあり、うまくリサイクルの流れをつくっていくことが今後の課題といえます。  温室効果ガスの増加は、地球温暖化の気候変動をもたらし、異常気象を引き起こします。近年、世界各地では、異常気象による干ばつやゲリラ豪雨などが多発しています。我が国においては記録的な大雨に関するニュースを多く聞くようになり、実際に大雨によって河川が増水して水害が発生する事象も頻発しています。私たちの身に激甚化する災害がいつ襲ってきてもおかしくない状況にあるといっても過言ではありません。我が国はもちろんのこと、各国において地球温暖化に対する取組が急務であることは間違いありません。  こうした中、国は脱炭素社会や資源循環型社会の実現に向けて、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律、通称プラスチック資源循環促進法が、令和3年6月に成立し、令和4年4月に施行されました。海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まっており、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化する必要があるという背景から、成立に至ったものであります。  そこで、質問です。  今年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されましたが、この法律が施行されたことについて、本市としてはどのように受け止めているのか、伺います。  プラスチック資源循環促進法では、国内外におけるプラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチックに係る資源循環等を図るため、国や地方公共団体、事業者や消費者の責務を規定しています。  まず、地方公共団体の中でも、市町村の責務として、区域内におけるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集及び分別収集物の再商品化に必要な措置を講ずる努力義務と、国の施策に準じて、プラスチックに係る資源循環の促進等に必要な措置を講ずる努力義務の2つが定められています。  次に、事業者や消費者の責務についてですが、事業者は、プラスチック使用製品廃棄物及びプラスチック副産物を分別して排出するとともに、その再資源化等を行うよう努めなければならないと、消費者は、プラスチック使用製品廃棄物を分別して排出するよう努めなければならないとしています。  また、両者の責務として、プラスチック使用製品をなるべく長期間使用すること、プラスチック使用製品の過剰な使用を抑制すること等のプラスチック使用製品の使用を合理化することにより、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制するとともに、使用済みプラスチック使用製品等の再資源化等により得られたもの、またはこれを使用したものを使用するよう努めなければならないともしています。  このように、努力義務とはいえ、この法律の目的を達成するためには、事業者と消費者、それぞれの理解と協力が不可欠であり、それをどう遂行していくかが鍵になると言えそうです。  そこで、質問です。  プラスチック廃棄物の分別回収については、どのように考えているのか。仮に本市が分別回収を実施する場合、どのような課題があると考えているのか、伺います。  また、プラスチック資源循環促進法について、事業者や消費者の理解を深めるために、どのように啓発していくのか、伺います。  次に、中項目2つ目の使用済紙おむつのリサイクルについて伺ってまいります。  環境省は、平成30年6月に定めた循環型社会形成推進基本計画において、高齢化に伴い、大人用紙おむつの利用が増加することを踏まえ、使用済紙おむつのリサイクル技術等の調査、リサイクルに取り組む関係者への支援、リサイクルに関するガイドラインの策定等を行うとしています。  これを踏まえて、環境省は令和2年12月に、使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドラインを発出しました。このガイドラインによると、平成30年の紙おむつ生産数量は、乳幼児用で151億枚、大人用で84億枚、合計で約235億枚となっています。この数字は、平成22年と比べて乳幼児用で1.7倍、大人用では1.5倍になっています。紙おむつの消費量、排出量の数字に目を向けると、平成27年度の数字ではありますが、出荷量81万トンのうち、約50万トンから52万トンを国内で消費、そして国内で消費された紙おむつは、し尿を吸収することによって重量が4倍にもなり、国内処理量は191万トンから210万トンになると言われています。一般廃棄物に占める紙おむつの割合は、平成27年度で4.3%から4.8%と推計され、8年後の令和12年度には6.6%から7.1%との予想が出ています。このように、生産量が増加することによって廃棄されている数量も比例して増加していくことは避けられない状況であると考えられます。  そこで、紙おむつをリサイクルしていこうという議論になるわけですが、紙おむつはパルプとプラスチック、高分子吸収材の混合素材ででき、汚物もついていると分別が難しいという課題があります。一般的には焼却施設で処理することになりますが、水分量が多くて燃えづらく、焼却処理の際に温度低下を防ぐための補助燃料を使用することによって、焼却炉を傷める要因にもなりかねません。  そこで、近年では、官民の連携で分別して回収した使用済紙おむつを、殺菌などの衛生面の処理をし、再資源化する動きが出てきています。ごみや処理費用の削減のほか、焼却炉の安定的な稼働、二酸化炭素排出量の削減で環境負荷を低減できるなどの利点があります。  ガイドラインでは、リサイクル事業の周知や普及を促すため、自治体のごみ処理基本計画の中に紙おむつの再生利用を盛り込む際の検討手順が指示されています。  家庭や保育園、介護施設などの排出量の推計や回収、運搬方法などを事例も交えて細かく記されており、導入に向けた支援事業や補助金制度なども示されています。  県内では、富士市が令和3年3月に、使用済紙おむつのリサイクルに向け、関係資料の作成や事前調査が行われ、報告書が提出されています。  最近では、東京都が民間企業と協働で、使用済紙おむつのリサイクル推進に向けた実証事業を実施し、今年3月に報告書が提出されています。  静岡県は、今年3月に第4次静岡県循環型社会形成計画を策定しましたが、この中に使用済紙おむつのリサイクルについて、トピックとして掲げています。  また、静岡県議会の令和4年6月定例会において、使用済紙おむつのリサイクルを推進するため、今後、県と市町による研究会を開催し、先進事例の研究や関係事業者との意見交換を行うと当局が明らかにしました。  そこで、質問です。  様々な動きがある中で、使用済紙おむつのリサイクルについて、本市はどのように考えているのか、伺います。  以上、1回目です。 42 ◯環境局長(田嶋 太君) プラスチックリサイクルに関する3点の質問と、使用済紙おむつのリサイクルについての質問にお答えします。  初めに、プラスチック資源循環促進法について、どのように受け止めているのかについてですが、同法は、プラスチック製品の設計・製造から販売、廃棄に至るまで、あらゆる主体における資源循環等の取組を促進し、プラスチック廃棄物の発生抑制とリサイクルを進めることで、温室効果ガスの削減や循環型社会の構築につなげようとするものです。  本市は、SDGs未来都市として、2050年カーボンニュートラルの実現を掲げ、脱炭素先行地域の選定を受けるなど、温室効果ガスの削減に向けた取組を推進しているところです。今後も、同法の趣旨を踏まえ、4Rの推進などにより、プラスチックごみのさらなる減量を図り、循環型社会の構築に努めてまいります。  次に、プラスチック廃棄物の分別回収について、どのように考えているのかについてですが、近年、プラスチックのリサイクル技術の向上や法が整備されたことにより、自治体が選択できるリサイクル手法が拡大するなど、プラスチック資源を取り巻く社会情勢が変化しています。そのため、本市においてはプラスチックごみの回収から処分までの処理方法を再検証し、その在り方を検討してまいります。  また、仮に本市が分別回収を実施する場合の課題についてですが、分別回収の実施には、収集運搬、圧縮などの中間処分、リサイクルといった工程が新たに発生し、多額の費用が必要となることに加え、市民の皆さんに分別を徹底してもらうための啓発、リサイクル業者の選定など、様々な課題があると考えています。  次に、プラスチック資源循環促進法について、消費者や事業者の理解を深めるために、どのように啓発していくのかについてですが、まず、法において、消費者及び事業者は、プラスチック使用製品をなるべく長期間使用すること、過剰な使用を抑制することなどにより、プラスチック製品廃棄物の発生を抑制するとともに、環境配慮型の製品の選択やリサイクル品の優先利用に努めることとされています。  さらに、事業者においては、プラスチック使用製品の環境配慮設計の取組、自ら製造・販売した製品の自主回収などが求められています。  市は、これらの取組が消費者や事業者の理解をもって適切に行われるよう、制度の普及について、環境大学や出前講座といった環境教育の場や広報など、あらゆる媒体を通じて啓発していきます。  また、事業者の優良な取組や再資源化等の取組についても情報収集に努め、これらを広く発信していくことで水平展開されるよう取り組んでまいります。  最後に、使用済紙おむつのリサイクルについて、どのように考えているのかについてですが、使用済紙おむつについては、その再資源化が図られることで、清掃工場における処理量が減り、さらに、水分を多く含んでいるという性質上、清掃工場で処理するごみの燃焼効率の向上にもつながるものと期待できます。  一方で、使用済紙おむつのリサイクルは、衛生面を含む適正処理体制の確保、リサイクルの技術革新や供給ルートの確立など、様々な課題があると認識しています。  今後、一層高齢化社会が進む中、紙おむつの使用量も増加していくことが想定されていることから、国や民間事業者の動向に注視し、研究を進めていきたいと考えています。   〔長島 強君登壇〕 43 ◯長島 強君 御答弁いただきました。ありがとうございました。  要望・意見につきましては、最後にまとめて述べます。  2回目の質問を進めてまいります。  2回目は、大項目2つ目、子育て支援についてと、3つ目、安心して利用できる公共施設について伺ってまいります。  まず、子育て支援についてですが、今回の総括質問では、母子保健に係る取組について、順次、質問してまいります。  初めに、母子健康手帳の電子化についてです。  この質問ですが、平成29年11月定例会でも取上げ、当局としての取組を伺いました。当時の子ども未来局長の答弁は、「電子母子健康手帳の導入に当たっては、現行の母子健康手帳の利点や既存のサービスがあることのほか、個人情報保護の観点からの検証が必要と考えているが、他市の状況も注視しながら研究していきたい」とのことでした。  私は、かねてから母子健康手帳の電子化について、早く進めるべきだと考えており、行政のデジタル化が叫ばれている中、必要性をさらに強く感じているところであります。  母子健康手帳は、母と子にとっての妊娠、出産、育児期の一貫した健康記録であり、この記録を参考として、保健指導や健康診査が行われるなど、母子保健対策を進めていく上で重要な意義があります。母子健康手帳の様式については、社会情勢の変化や保健、医療、福祉制度の変化等に伴って改正が行われてきました。デジタル化が進む中で、平成30年度に、データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会が開催され、電子化すべき情報等について中間報告書が取りまとめられ、令和2年度からは、マイナポータルを通じて本人が閲覧できるようになっています。  一方で、母子保健情報については、乳児健康診査の内容の標準化や、情報の連携や利活用の在り方等については、引き続き検討が必要とされています。  このような社会的状況の変化等を踏まえ、母子健康手帳、母子保健情報等に関して検討を行うことを目的として、学識経験者や関係団体代表者等の協力を得て検討会を設置し、議論されています。  また、厚生労働省では、母子健康手帳の内容等について、おおむね10年に1回の見直しを行っていますが、今後の見直しの参考とするため、当事者、自治体、民間団体、有識者から意見を聞く会を5回にわたって開催しており、昨年12月に意見がまとめられています。  その中で、母子健康手帳の電子化についても様々な意見が述べられています。幾つか例を挙げると、データとして共有する部分と、手帳として手元に残す部分、どちらも必要であるとの意見。今後、手帳交付がオンラインで可能となった場合でも、交付時の保健師や助産師による対面での面談は、必要な行政サービス等を説明する大切な期間であるので、対面での交付を基本としてほしいという意見。電子化すべき内容については、パートナーと共有できる情報、予防接種記録のように長く使う情報、社会資源等の量が多い情報、転居するたびに記載内容が変わるような情報は、電子化できるとよいとの意見などです。  こうした国の動きに呼応して、自治体としても電子化の流れに乗り遅れないよう取り組んでいかなければならないと考えます。  そこで、質問です。  国が母子健康手帳の電子化について検討を行っていますが、本市における検討の状況はどのようになっているか、伺います。  次に、多胎妊婦の支援についてです。
     厚生労働省の令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業費補助金を受けて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が実施した調査研究に、多胎児の家庭等に対する子育て支援に関する調査研究というものがあります。この研究は、全国の市区町村を対象に、多胎児家庭等に関する子育て支援や両親学級の実施状況に関する実態調査を行い、多胎児家庭に対する子育て支援や両親学級の取組について、ほかの地域の参考となるような好事例を挙げながら、事業の概要、取組の経過と内容、工夫や成功のポイント、現状の課題や今後の展望について、事例調査を行ったものであります。  多胎の妊娠、出産は、リスクが伴い、管理入院などにより入院期間が長く、体力が低下した状態で育児が始まることから、様々な切れ目のない支援が必要となります。  また、分娩件数全体に占める多胎の分娩件数の割合は1%程度ということで、多胎児家庭同士の交流機会が十分にあるとは考えにくい状況にあります。厚生労働省は、令和2年度に、多胎妊産婦への負担感や孤立感の軽減を図るため、産前産後サポート事業に、多胎ピアサポート事業と多胎妊産婦サポーター等事業を創設し、同じような多胎児の育児経験者家族との交流会の開催や、多胎育児経験者による相談支援、産前や産後において外出の補助や、日常の育児に関する介助等を行う多胎妊婦サポーター等による支援を開始しました。県内においては、双子や三つ子の親でつくる子育て支援団体、しずおか多胎ネットが、浜松市の窓口で無料配布していた多胎児用の子育て冊子「ふたご・みつご子育てブック」を、本市を含む県内15の市町に配布を拡大したという取組が、静岡新聞に取上げられていました。  この冊子は、多胎児を育てる親御さんへのアンケートを基に、妊娠中の過ごし方や、出産に際して準備したものを紹介し、出産後の授乳や入浴、同時泣き、離乳食など、テーマごとに体験談がまとめられているそうです。多胎児を妊娠した女性に対して、母子健康手帳を交付する際に、窓口で配布しているとのことで、1つの自治体で始まった取組がほかの市町にも広がりを見せ、かゆいところに手が届くように様々なニーズに応え、必要な情報を提供しているところがすばらしいと感じています。  そこで、質問です。  国や県内の取組をいろいろと述べたところでありますが、本市においては、多胎妊婦に対してどのような支援を行っているのか、伺います。  次に、安心して利用できる公共施設についてです。  初めに、サニタリーボックスの配置について伺ってまいります。  国立がん研究センターが令和元年にまとめた統計によると、前立腺がんと診断された男性は約9万5,000人、膀胱がんは約1万7,500人に上っています。これらのがんは、手術後、頻尿や尿漏れの症状が起きやすくなると言われています。このため、手術を受けた男性は、尿漏れパッドを着用することが多くなります。しかし、公共施設などの男性用トイレの個室には、サニタリーボックスの設置が進んでおらず、パッドを捨てる場所がないため、外出先から自宅までビニール袋などに入れて持ち帰らざるを得ません。実は、このような方が数多くいらっしゃるということを我々は認識しなければなりません。尿漏れパッドを着用している男性は、恥ずかしさから、なかなか声を上げることができない現状があるのではないかと思います。一方で、当事者以外の男性は、問題意識すら持ちづらいという側面もあるように感じています。  埼玉県では、今年3月に、県有施設の男性用トイレ及び多目的トイレのサニタリーボックス設置推進についての文書を発出して、男性用トイレ1か所につき、少なくとも1か所の個室に設置し、どの個室にサニタリーボックスがあるか分かるように専用の表示が貼られています。その結果、男性用トイレの個室にボックスが置かれている県有施設は、2月時点で約13%しかなかったのが、6月には90%以上となり、多目的トイレも含めると全施設に置かれるようになったとのことです。  一方、静岡県内においてですが、公明党静岡県議団が7月26日に、県有施設の男性用トイレへのサニタリーボックス設置を求める要望書を知事宛てに提出しています。あわせて、未設置の市町や企業などに対して設置を推奨することも盛り込まれています。  また、県内の市町では、磐田市や藤枝市で既に設置が始まっており、島田市でも庁舎への設置が予定されていると聞いています。  そこで、質問です。  男性用トイレへのサニタリーボックスの設置を進めるべきだと考えますが、本市はどうか、伺います。  次に、庁舎のエレベーターにおける非常用備品の設置について伺ってまいります。  今年の4月8日、静岡庁舎新館のエレベーターが途中で停止し、本市職員1人が約30分にわたって閉じ込められてしまったというトラブルがありました。幸いにも職員にけがはなかったのでよかったですが、このエレベーターは、4月4日以降、途中で緊急停止する不具合が複数報告され、4月7日に運転を停止して修理していたところだったと聞いています。このトラブルをきっかけに、私は、エレベーター内に非常用の備品を備えておく必要があるのではないかと強く感じました。  平成30年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震では、エレベーターの閉じ込めや運転休止が多数発生し、一部では発災後に発生した通信困難や公共交通機関の停止、交通渋滞の影響によって、閉じ込めの救出、運転復旧への対応に長時間を要したと言われています。長時間の閉じ込めは、閉じ込められた方の健康状態が著しく損なわれる可能性も十分考えられます。  国土交通省は、公共建築物におけるエレベーターの地震対策の実施についてという文書を、各都道府県宛てに発出し、こうした状況を回避するために、エレベーター内に簡易トイレや非常用飲料水等を備蓄した防災キャビネットを設置することが有効であると、積極的に設置することを依頼しています。  そこで、質問です。  庁舎内のエレベーターにおいて、地震や停電などの非常時に、長時間、エレベーター内に閉じ込められるリスクがあるため、市民が安心してエレベーターを利用できるように、非常用備品をエレベーター内に備えておく必要があると思いますが、本市の現状はどうか、伺います。  また、設置されていない場合、今後の対応はどうなのか、併せて伺います。  以上2回目です。 44 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 母子保健に係る2つの御質問にお答えいたします。  まず、母子健康手帳の電子化についてですが、令和4年度は、10年に1度の母子健康手帳の見直しの年であり、国の検討会では、スマートフォンを活用した情報提供の観点から、母子健康手帳の電子化についても検討が行われております。  検討会の委員からは、母子健康手帳の情報を電子化することで、スマホ等で、いつでもその内容を閲覧することができ、利便性が高まるといった意見が出ており、その際には、既に民間が開発している電子母子手帳アプリとの連携も想定しています。この電子母子手帳アプリは、母子健康手帳を補完し、電子化の効果をさらに高めることが期待され、主な機能としては、健診記録の閲覧、入力のほか、予防接種のスケジュール管理、行政からの子育て情報の受信等があります。  一方、本市では子育て情報を発信するちゃむしずおかアプリや、子供の予防接種の時期をお知らせするモバイルサービス、わくチー等を既に導入しており、今後、電子母子手帳アプリを導入する場合は、既存の電子サービスと一部の機能が重複することが考えられるため、それぞれのサービスをどのように連携させ、運用するのが適切か、関係部局で検討を始めたところです。  母子健康手帳の電子化については、令和4年度中に国から詳細が示される予定であり、分かり次第、その方針に沿って対応することとなりますが、連携する電子母子手帳アプリについても、市民の皆さんの利便性向上のため、早期の導入に向け、検討を進めてまいります。  次に、多胎妊婦への支援についてですが、多胎妊婦は母体への負担が大きく、つわり、早産等の合併症が起こりやすいため、よりきめ細かく健康状態を確認する必要があります。そのため、まず妊娠中の支援として、令和4年度から、妊婦健康診査の費用について、通常最大14回まで助成していたものを、多胎妊婦については、さらに5回分追加して助成しております。  また、出産後は母親の育児負担が大きくなることから、多胎児を含む多子世帯に対して、食事の準備やおむつ交換等を1人で行うことが大変な場合に、母親に代わり、家事や育児を行う子育て支援ヘルパーの利用が可能となっております。  そのほか、母親の育児負担軽減のためには、父親の育児参加が不可欠であることから、多胎妊婦に限らず、初めて父親、母親となる方を対象とした両親教室や、父親が子供と一緒に遊びながら参加できる子育てパパトーク、父親同士の交流等を目的とした子育てパパのための講座等の実施により、父親の育児参加を促しております。 45 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) サニタリーボックスの設置についての御質問にお答えいたします。  男性用トイレへのサニタリーボックスの設置についてですが、男性の尿漏れの原因は、前立腺がん、膀胱がんなどの手術や加齢によるものなど様々で、特に前立腺の全摘手術を受けた方の多くは、術後半年程度まで尿漏れが続くため、尿漏れパッドが必要になると言われています。また、全国の前立腺がんの罹患数は、平成28年から令和元年の3年間で約9万人から約9万5,000人へとおよそ5,000人増加しており、これに伴って、今後、尿漏れパッドを着用する男性が増加すると見込まれます。  こうした中、外出先で、使用済みのパッドを持ち帰ることなく処分できる環境の整備は、静岡市がん対策推進条例において、がん患者が尊厳を保ちつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を掲げる本市にとって、速やかに取り組むべき課題であると認識しております。  このため、まずは年内に多くの市民の皆さんが利用する静岡庁舎新館、駿河区役所の1階から3階までと、清水庁舎と蒲原支所の1・2階の男性用トイレにサニタリーボックスの設置を進め、その後、そのほかの市の施設への設置についても検討してまいります。 46 ◯財政局長(大石貴生君) 庁舎内のエレベーターにおける非常用備品の設置状況と今後の対応についてですが、まず、設置状況につきましては、清水庁舎において、東日本大震災を受け、津波による電力供給等の被害によりエレベーターが停止した場合を想定し、5基のうち非常用エレベーターを除く4基に、飲料水、食料、携帯トイレ、懐中電灯等が入った非常用備品ボックスを設置しております。  その他の庁舎においては、津波浸水区域外であること、また、静岡庁舎においては、エレベーターの保守管理会社が近郊にあり、緊急時には早急な対応が可能であることから、非常用備品ボックスを設置しておりませんでした。  しかしながら、議員御指摘のとおり、閉じ込め事故が発生したことなどを受け、非常用備品ボックスが設置されていない庁舎エレベーター12基について、本年度中に設置を進めてまいります。  また、その他の市の施設への設置についても、車椅子を利用する方などにとって障害にならないかなど、個々のエレベーターの状況を調査した上で、関係局と対応を検討してまいります。   〔長島 強君登壇〕 47 ◯長島 強君 それぞれ御答弁いただきました。ありがとうございました。  3回目は、意見・要望を述べさせていただきます。  初めに、リサイクルについてです。  プラスチックのリサイクルについて、分別回収にあっては、本市としても一般廃棄物処理基本計画において、在り方について位置づけていく必要があるとの御答弁でしたので、この点について評価したいと思います。  しかし、分別回収を実施していくには費用の問題、分別の徹底のための啓発、プラスチック廃棄物の搬出先の選定など、課題が多くあることも認識できましたので、これらの課題解決に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思います。  行政、事業者、市民、それぞれ立場は違いますが、プラスチック問題は地球温暖化と密接に結びつき、我々の暮らしと命ともつながる問題であることを強く意識し、課題を乗り越えるため、責任ある行動を日常的に心がけることが必要だと感じました。  使用済紙おむつのリサイクルについては、9月14日の読売新聞の記事に、国土交通省の有識者会議による検討会で、汚物を吸収した紙おむつを洗濯機のような処理装置に入れて洗浄した後、汚物を分離させて下水道に流し、製品部分を脱水して回収する方法などを検討しているとありました。一部の介護施設で実証実験を行っているそうで、その検証結果を踏まえて、処理装置の性能基準などを定めた指針を今年度中に策定し、処理装置などの普及を目指すとのことです。  使用済紙おむつのリサイクルも課題が多くありますが、様々な動きに対してアンテナを高く張って取り組んでいただきたいと思います。  次に、母子保健に係る取組についてです。  母子健康手帳の電子化ですが、今後、電子母子手帳アプリを導入する場合、既存のサービスとどのように連携させ、運用するのが適切か、関係部局で検討を始めているということでした。前回の質問よりも前向きに進んでいるということで評価したいと思います。ぜひとも利用する方の利便性向上のために、早期導入を要望したいと思います。  昨日、9月20日、母子健康手帳の見直し方針について、母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会の中間報告書が発表になりました。母子保健分野に係る国民の利便性の向上、地方公共団体や医療機関の事務負担の軽減等を図るため、令和7年度を目標時期として、地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化が進められていることも踏まえ、マイナンバーカードを活用した母子健康手帳のデジタル化に向け、環境整備を進めていくことと、令和5年度以降、保護者に対する育児等の情報、任意の様式でありますけれども、それについて、主として電子的に提供することが適当との報告でした。  まだまだ電子化への道のりは時間がかかる様相ですが、一歩一歩着実に電子化の道のりを、本市としても進めていただきたいと思います。  多胎妊婦の支援についてですが、今年度から妊婦健診の費用助成が拡充されたことなど、以前と比べてサービスが充実しつつある印象です。妊娠中も大変ですが、出産後の育児は、さらに大きな負担になるということで、どれだけ母親の育児負担を軽減させていくかが鍵となります。本市でも、両親教室や父親の育児参加を促す取組が確認できましたが、大事なことだと思っています。  一方で、協力を得られないケースも当然あるわけで、このようなケースの場合、育児ストレスによる虐待リスクが高まると言われています。行政や民間のサービスにどうつなげていくかが重要であるので、コミュニケーションを図りながら、切れ目なくサポートしていただきたいと思います。  最後に、安心して利用できる公共施設についてですが、サニタリーボックスについては、庁舎の一部へ年内に設置していただけるという御答弁をいただきました。  また、非常用備品ボックスが設置されていない庁舎内のエレベーターには、本年度中に設置していただけるという御答弁がありました。この質問をきっかけに、それぞれ設置していただけるということに感謝したいと思います。  今回は、庁舎ということでしたが、この設置がきっかけで、ほかの公共施設にも広がっていくことを期待したいと思います。  以上、意見・要望を述べさせていただき、今定例会の全ての質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 48 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、杉本 護君。   〔杉本 護君登壇〕 49 ◯杉本 護君 それでは、通告に従い質問します。  まず、第4次静岡市総合計画基本構想・基本計画原案についてです。  今回は、日本共産党静岡市議団が行った提言を踏まえ、主に市民の合意形成、定住人口の維持・回復、まちづくりに関して質問していきます。  初めに、第1回パブリックコメントや会派意見の反映についてです。  本市は、4次総を策定するに当たり、骨子案に対して、3月に第1回のパブコメを行い、その意見や各会派の提言などを受けて原案を策定し、8月に第2回のパブコメを行うなど、広く市民の意見を聞いています。  そうした中で、特に骨子案にあった7つの柱が、原案では5つの重点施策となったことは大きな変化です。7つの柱にあったまなびの文化の地域づくりと安全・安心のまちの推進がなくなり、健康長寿のまちの推進に子ども・子育て支援を加え、まちは劇場の推進にスポーツ振興が加わっています。策定会議では、市民の意見をどのように受け止め、どんな意見が交わされたのでしょうか。  そこで、3点お聞きします。  パブリックコメントでの市民意見や会派意見の特徴は何か。  2つ目に、パブリックコメントでは、人口減少対策につながる子育て支援や若者対策の拡充を求める意見が多くあったと感じていますが、原案にはどのように反映させたのか。  3つ目に、4次総の骨子案における7つの柱を、原案では5つの重点政策としたのはどのような考えからか。  次に、定住、交流、関係人口についてです。  8月の本市の総人口は68万4,440人となり、減少傾向が止まりません。社人研の人口推計によると、本市は2030年には約65万人となっています。そうした状況の下、4次総原案では、定住人口を維持する取組を進めることを明記しましたが、一体どの時点を維持するのか明確ではありません。定住人口の維持を明記しながら目標値を示さないのは、曖昧さを残し、実効性が疑われます。  一方、定住人口のみに頼らない時代として、交流人口や関係人口にも目を向ける必要性を強調しています。これ自体を否定するものではありませんが、しかし、定住人口の減少は、交流人口や関係人口が拡大しても補えない問題が多々あると感じています。  そこで、2点お聞きします。  4次総原案で定住人口を維持していくとありますが、どの時点の人口を維持するのか。  2つ目に、交流人口、関係人口の拡大は、定住人口減少によるマイナスの影響をどのように補えると考えているのか。  次に、合計特殊出生率向上の取組についてです。  本市の合計特殊出生率は、3次総スタートの2015年は1.39、2021年には1.32にまで下がり、近年、減少傾向が続いています。人口を維持するには2.08が必要と言われ、本市にとっては非常に高いハードルです。  しかし、私は、本市の人口対策を社会増に偏重すると、日本全体の人口が減少傾向にある下では、人という資源を他都市と取り合っていることになり、これでは日本全体の将来も危ういと感じています。  本市においては、定住人口を維持する手段として、合計特殊出生率を引上げ、自然増にも挑戦すべきと考えます。  そこで、お聞きします。  合計特殊出生率を向上させるためには、私は、結婚生活を送る若者を増やす政策や、希望する子供を産み育てるための施策が必要と考えますが、3次総ではどのように位置づけて取り組んでいるのか。  次に、静岡市立地適正化計画についてです。  4次総原案の中で、立地適正化計画は、都市・交通分野の中の1つの施策として位置づけられています。しかし、この計画は、いわゆるコンパクトシティとして、中心市街地に生活に必要な様々な施設を集約させようとしているもので、これからの静岡市のまちづくりの根幹に関わる計画となっています。中心市街地への誘導策は、郊外や中山間地の過疎化を進行させると考えます。  そうした中で、4次総原案では、重点政策の1つに、森林文化の地域づくりが提案され重視していますが、中心市街地への誘導策との整合性が取れていないように感じています。  そこで、お聞きします。  立地適正化計画で目指すまちづくりとはどのようなものか。  次に、中小企業・小規模企業支援についてです。  原油価格・物価高騰は、中小企業・小規模企業の経営に大きな打撃を与えています。  本市は、この9月議会に、多大な影響を受けている事業者に助成する補正予算を計上しました。  そこで、2点お聞きします。  原油価格・物価高騰における中小企業への影響をどのように調査したのか。  2つ目に、9月補正予算で支援の対象にした業種は、どのような考え方で決めたのか。  以上、1回目です。 50 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総に関する6点の御質問にお答えします。  まず、本年3月に実施した第1回パブリックコメントでの御意見や、市議会会派からの政策提言における御意見の特徴についてですが、パブリックコメントでは、4次総の骨子案の方向性に対して、人口減少対策を一層推進することや、重点政策とした仮称7つの柱を、分かりやすく集約することなどを求める声がありました。  また、市議会会派からの政策提言においては、子ども・子育て施策や交流人口の拡大施策の充実のほか、ジェンダー平等を意識した市政運営などについて御意見をいただきました。  次に、子育て支援などの拡充を求める意見への対応についてですが、4次総原案の子ども・教育分野において、全ての子供・若者世代が、夢や希望を持って、健やかで、たくましく、しなやかに育つまちの実現を目指すことを定めました。  さらに、5大構想の健康長寿のまちの推進に、子ども・子育ての観点を加えた仮称健康活躍のまちの推進を、分野横断的な重点政策として位置づけました。  次に、仮称7つの柱を5つの重点政策とした考え方についてですが、パブリックコメントや市議会会派の御意見を踏まえ、本市の目指すまちづくりを市民の皆さんに分かりやすく、かつ明確に示すため、5つの重点政策として集約したところです。
     次に、4次総において、どの時点の人口を維持するのかについてですが、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に公表した最新の人口推計では、4次総の終期である2030年時点の本市の推計人口は65万人弱となっています。3次総では、子育て環境の充実や移住・定住の促進などに取り組んだ結果、人口の社会減が改善し、人口推計も上方修正されるといった成果がありました。引き続き、こうした取組を進めることで、4次総においては、現状の人口推計を上回る定住人口としていくことを目指します。  次に、交流人口、関係人口が人口減少の影響をどのように補えるかについてですが、平成30年度の観光庁の試算では、定住人口1人当たりの年間消費額は、外国人旅行者8人分、国内宿泊旅行者23人分に相当するとされており、交流人口を拡大することで地域経済の維持につながるものと考えます。  また、総務省において、関係人口とは、定住人口でも交流人口でもない、地域と多様に関わる地域外の人材を指すものとされています。関係人口を創出することで、例えば、まちづくりにおける担い手不足の解消や、外部人材の視点を生かした地域の活性化などが期待できると考えます。  最後に、3次総における若者や子育てに対する施策についてですが、3次総では、子ども・教育分野に当該施策を位置づけるとともに、国の東京一極集中の是正と連動し策定した総合戦略においても、首都圏等からの移住・定住の促進や、子供を産み育てやすいまちづくりの推進などを定め、若者や子育てに関連する取組を進めています。  なお、移住希望者が移住先の検討材料として活用する宝島社の「田舎暮らしの本」では、2022年版住みたい田舎ベストランキングにおいて、全国の自治体の中で、本市が若者世代・単身者と子育て世代の2部門で第1位を獲得しており、若者や子育てに対する本市の取組が、外部から高く評価されているものと考えております。 51 ◯都市局長(八木清文君) 立地適正化計画で目指すまちづくりとはどのようなものかについてですが、立地適正化計画は、居住や都市機能の誘導と、公共交通との連携により、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進め、安心できる健康で快適な生活環境の実現及び持続可能な都市経営を図る計画です。  本市の立地適正化計画では、市民生活の質の向上、地域経済の活性化、人口減少対策の下支えの3つの効果を見据えております。特に、人口減少対策の下支えにおいては、にぎわいや活気にあふれ、生活利便性が高く暮らしやすい魅力あるまちづくりを進めることにより、住み続けたいと思えるような、また、本市に移り住みたいと思えるような都市の実現を目指しております。  立地適正化計画の推進は、持続可能な都市経営を通じて、郊外や中山間地を含めた本市全体の将来的な人口維持に貢献するものであり、現在、策定を進めている第4次静岡市総合計画においても、関連する計画や事業との連携を図ってまいります。 52 ◯経済局長(稲葉 光君) 原油価格・物価高騰対策に関する2つの質問にお答えします。  まず、原油価格・物価高騰における中小企業等への影響をどのように調査したかについてですが、本市では、定期的に景況調査や静岡商工会議所、金融機関、各業界団体との情報交換を実施し、中小企業等の現況把握をしています。  また、特に今般の原油価格・物価高騰の影響については、各業界団体への訪問などにより聞き取り調査を行っております。  次に、9月補正予算で支援の対象にした業種はどのような考え方で決めたのかについてですが、さきに申し上げた調査結果や国、県の施策の実施状況に加え、本市の本年2月及び6月補正予算による消費喚起事業において、クリーニング業などのサービス業等が支援対象となっていることなどを踏まえ、経営コストに占める燃料費等の割合が高い業種や、事業の停止が市民生活に与える影響が大きい業種である製造業や運輸業などを対象としました。   〔杉本 護君登壇〕 53 ◯杉本 護君 それでは2回目です。  今の答弁で1つ言いたいのは、4次総原案で5つの重点政策にしたのは、市の目指すまちづくりを市民に分かりやすく示すためというふうにおっしゃったんですが、私は、7つの柱が5つに変わったということ、例えば、まちは劇場にスポーツの振興が入った、これは大きな違いだと思うんですね。今、市はサッカースタジアムとか、是非は別として、アリーナなどの大型箱物を建設する方向に推進しているということですから、そういった姿勢が5つの重点政策の中に盛り込まれているんじゃないかなと感じているんですね。  ですから、そういった大きな違いがあったのに、一言も触れていないということは、まともな答えをしていないんじゃないかと感じています。もう少し誠実な答弁をお願いしたいと思います。  質問を続けます。  まず、合計特殊出生率を向上させる取組についてです。  3次総でも様々に取組、評価を得ているようなんですが、しかし、それでも合計特殊出生率は低下し、人口減少は止まっていません。人口減少対策特別委員会の視察でお邪魔した岡山県の奈義町は、合計特殊出生率が2014年に2.81を達成しています。奈義町での人口減少対策は、若者定住施策と就労対策、そして子育て支援、この3つが柱となっているんですが、これを町の中心施策として人口が6,000人余りの小さな町で相当な予算を割いていたということが分かりました。  1つだけ紹介しますと、出産祝い金が、第1子は10万円、第2子は15万円、第3子は20万円、第4子は30万円、第5子以上は40万円となっている。これは2004年から始まったと言っています。こうした中で、小中学校に子供が通っている世帯でいうと、子供が3人の世帯が38.8%、2人の世帯が35.8%となっているんですね。さらに、地域を挙げて子育てを支援して、町の人は3人産むのにちゅうちょはない、このようにお聞きしています。まさにこうした思い切った取組が本市に求められているのではないかと思います。  本市には今、若者の結婚支援としてエンジェルプロジェクトがあり、草食系の男性が増えていると言われている下で、私は意義ある取組と思っているんですが、しかし、結婚できないのは出会いだけの問題ではなく、奨学金という多額の借金を抱えて大学を卒業する若者など、経済的な理由も大きな要因となっています。  本市は、静岡市育英奨学金免除制度がありますが、静岡市で暮らせば、どこの奨学金でも免除が受けられるように拡大することができないのかなと。また、本市から若者が出ていくのは、仕事がないことが理由の1つとなっています。そこで、気候危機に関心を寄せる若者がいる中で、省エネや再エネなどの仕事を立ち上げるための支援や、あるいは市内にある環境に関わる分野の仕事へのあっせんなどを積極的に行えないものかと考えています。  さらに、若者向けの住宅家賃支援など、思い切った対策が大きな効果を与えるのではないかと考えています。  また、子育て支援でも、学校給食費の無償化、少人数学級での行き届いた学校教育の整備、そして地域で子供を育てる仕組みや、お母さんの仕事探しなど、こうした支援により、子育てしやすい魅力ある静岡市になっていくのではないかと考えています。  そうした中でお聞きします。  4次総では、将来の人口自然増を目指して、若者や子育てに対する支援そのものを重点政策に位置づけるべきではないかと考えていますが、市のお考えをお聞きしたいと思います。  次に、立地適正化計画です。  先ほどの答弁で、この計画が郊外や中山間地の人口維持にも貢献するというふうにおっしゃっていました。しかし、本当にそうでしょうか。  私は、行政の都合で意図的に居住地を中心市街地に集約させることについては大いに疑問を持っています。私の持論なんですが、まちというのは、そこに住む人々でつくっていくものであり、決して交流や関係人口がつくるものではないと思っています。そして、子供や高齢者が暮らしやすいまちというのは、基本的に歩いて行ける小学校の学区の範囲に商業施設や医療施設、福祉施設、コミュニティ施設があって、その中心に学校がある、こうしたまちだと考えます。そうした施設があってこそ、安心して暮らし続けることができ、移住してくることもできるのではないでしょうか。  そして、地域で暮らし続けることで、郷土への愛着を生んで、地域の伝統文化も守っていけるのではないかと考えています。  そこで、お聞きします。  小学校の学区単位でのまちづくりについて、どのように考えているのか、お願いします。  次に、中小企業・小規模企業支援についてです。  答弁にあったように、製造業や運輸業などを助成の対象にしたことは理解いたします。しかし、今回対象となっていない、先ほどクリーニング店の話がありましたが、銭湯やクリーニング店、ハウス栽培の農家なども、事業経費として燃料費が多くの比重を占め、経営に甚大な影響を受けています。そうした事業者にも支援が必要ではないかと考えています。  そこで、お聞きします。  事業経費の中で、燃料費や電気料金の比重が高い業種を一定の基準を設けて支援するなど、支援の対象をもっと広くするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  以上、2回目です。 54 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総において、若者や子育て支援を重点政策に位置づけるべきではないかについてですが、先ほども御答弁したとおり、4次総では5大構想の健康長寿のまちの推進に子ども・子育ての観点を加え、分野横断的な重点政策として取組を推進してまいります。 55 ◯都市局長(八木清文君) 小学校の学区単位でのまちづくりについて、どのように考えるかについてですが、静岡市立地適正化計画は、目指す将来都市構造である集約連携型都市構造の実現に向けて、JR静岡駅周辺やJR清水駅周辺などの都市拠点や、駿河区役所周辺等の地域拠点に都市機能を誘導するとともに、公共交通の利便性が高いエリアに居住を誘導する区域を定めているものです。  また、静岡市都市計画マスタープランでは、都市拠点や地域拠点とは別に、公共交通の利便性が高く、日常的に必要となる生活サービス施設が集積し、地域の様々な人々が健康で安心して便利な生活を送る上でコミュニティを形成する場として、暮らしの拠点を設定しております。いずれの計画も小学校の学区単位を基礎としたものではありません。  今後は、ポストコロナ等、社会情勢の変化に対応した多様な暮らし方、働き方に考慮した上で、引き続き地域の住民が主体となり、コミュニティや文化を維持しつつ、地域の特性を生かしたまちづくりを推進してまいります。 56 ◯経済局長(稲葉 光君) 支援の対象をもっと幅広くすべきではないかについてですが、本市の原油価格・物価高騰対策に資する事業としては、本年2月及び6月補正予算において、地域消費促進事業費助成や、モバイル決済サービスを活用した生活者支援、地域経済活性化事業など、消費喚起を通じた生活者、事業者に対する幅広い支援を実施したところです。  また、静岡県の本年2月補正予算では、施設園芸農家や漁業者へ燃料価格高騰に対する支援も実施されています。  このような状況から、今回の9月補正予算における原油価格・物価高騰対策では、燃料費などの高騰の影響を大きく受けており、支援が行き渡っていない業種を対象とすることとしました。  今後も経済状況を注視し、事業者の声を丁寧に聞きつつ、実効性の高い施策の検討に努めてまいります。   〔杉本 護君登壇〕 57 ◯杉本 護君 3回目は意見・要望です。  2回目の質問は大変そっけない回答をしていただいたんですが、第4次総合計画原案の中で、世界に輝く静岡と言っているわけですが、ここが本当に分かりづらいなと私は思っているんです。  世界に輝く静岡をどれだけの市民が望んでいるのか。最近、地域を歩きますと、ウクライナの問題なんかもあって、やっぱり平和で安心して普通に暮らしたいと、これが最も幸せなんだということを多くの方が言っていらっしゃるんですが、そのためには、やはり地域を大切にする政策が必要ではないかと思っています。 58 ◯副議長(佐藤成子君) あと1分です。 59 ◯杉本 護君(続) そういう意味では、交流人口や関係人口を増やすこと自体は悪いことではないですよ。いいんですよ、それは。いいんですが、そこだけではなくて、やっぱりそこに住んでいる人をどう増やしていくのか、育てていくのかということが大事だと思っているんですね。ですから、そこへの挑戦はぜひしていただきたいなと思っています。  ちなみに、流山市は、キャッチコピーが非常に上手で、「母になるなら流山市、父になるなら流山市」というふうに言っているんですが、そういう意味では静岡市も、分かりやすいキャッチコピーでもっと魅力を訴えていただきたいと思っています。  中小企業の支援についてですが、昨日、市長は、市長自らも中小企業を訪問して実態を調べたと言いました。静岡市中小企業・小規模企業振興条例を持つ静岡市ですから、ぜひこの機会に、もっと大規模な調査を行って、実態をしっかりと見ていただきたい。そうした中で真の施策をつくっていただきたいと思います。 60 ◯副議長(佐藤成子君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時40分休憩    ───────────────────         午後3時再開 61 ◯議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、安竹信男君。   〔安竹信男君登壇〕 62 ◯安竹信男君 最後です。御清聴お願いいたします。  それでは、私からは2問、質問いたします。  森林文化の地域づくりについて。  森林文化の基本的な考え方についてただしてまいります。  本市の森林は市域の80%を占めていると一口に分かったようなことを口にしますけれども、3,000メートル級の山岳を10山も保有する南アルプスを天険として、大井川、安倍川、藁科川など豊かな河川流域に多くの里山が形成されております。豊かな森林は、人の暮らしを育み、多種多様な歴史文化を醸成してまいりました。  昭和44年に、安倍郡6か村が静岡市に吸収合併されましたが、明治、大正、昭和へと時代変遷する中で、それぞれの地域の氏神様の祭事など、お神楽などもその1つですが、どれをとっても特有の山村文化が伝承されております。井川の田代町内では、諏訪神社のヤマメ祭りの伝承に努めておりますが、少子高齢化どころか子供がいない高齢化社会で、神社の氏子たちが努力しております。私もその1人です。  戦後のモータリゼーションで、山間部と都市をつなぐ幹線道路が整備され、日常生活は大変便利になりました。森林を育てる林業や茶、ワサビ、シイタケ生産の農業、自然豊かな景観や温泉資源を活用した観光業も、山間地域の経済を発展させ、住民生活を豊かにしてきたと言えましょう。  さて、本市は次期総合計画の4次総で、森林文化の地域づくりを掲げますが、今さら何を考えているのか、これが私の率直な思いでした。海洋文化があるから森林文化という表現、言葉の遊びであってはなりません。  そこで、1点目の質問です。  森林文化をどのように創造するのか。つまり、森林文化の地域づくりは、どのような考えに基づき取り組んでいくのかについてお伺いいたします。  次に、大項目2の質問であります。  ものづくり産業振興について伺います。  模型の世界首都についてです。  静岡ホビーショーは、プラモデル、ラジコン模型、鉄道模型など、模型玩具製品の見本市であり、1959年に生産者見本市として、浮月楼で第1回目を開催してから、第60回目を迎えております。  私は、「田宮模型の仕事」という単行本、これは1997年5月に田宮俊作氏が書いた本でありますが、これを改めて読み返したところであります。  この単行本が発刊されて25年余の歳月がたっておりますが、いろいろと感動を覚え、刺激を受け、勉強になる内容であります。私は、家のリフォームの際に、多くの書物をリサイクルしましたけれども、この本だけは大事にしておりました。  当時のプラモデル産業を牽引した事業所が静岡県に集中していたのは、木曽材の集散地であり、木工業が発達していたからだと言われております。家具、ピアノ、ひな具、げたなどが盛んに作られていた木工業の土壌があったと言われます。  1950年代の模型用の材料は、ヒノキ、ホオの木、カツラの木などの木が材料でありました。フジミ模型、長谷川製作所、青島文化教材社、イマイなど業界のメンバーは、鈴木和彦さんや白鳥さんたちなど記憶にある方も多かろうと思いますが、当時、プラモデル全国シェアの70%を占めており、本市の地場産業にまで成長していたと言われます。  ここで、伺います。  本市のプラモデル産業をどのように考え、プラモデル化計画をどのように実施しているのか、伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。   〔安竹信男君質問席へ移動〕 63 ◯企画局長(松浦高之君) 森林文化の地域づくりは、どのような考えに基づき取り組んでいくのかについてですが、本市中山間地域オクシズは、南アルプスなどの豊かな自然をはじめ、農作物、伝統芸能など、多様で特徴的な地域資源を数多く有しております。4次総では、これらの地域資源をさらに磨き上げ、持続可能な中山間地域を目指すため、仮称森林文化の地域づくりとして重点政策に位置づけ、オクシズにおける生活機能の維持・向上及び経済の活性化に取り組んでまいります。  さらに、今年度改定するオクシズ地域おこし計画では、この考えを踏まえた検討をしているところです。 64 ◯経済局長(稲葉 光君) 本市プラモデル産業をどのように考え、プラモデル化計画を実施しているかについてですが、本市のプラモデル産業は、その出荷額が国内市場の80%以上を占め、例年開催されている静岡ホビーショーは、世界中のバイヤー、模型ファンから注目を集めるなど、我がまちが世界に誇れる産業であると認識しています。これを踏まえ、プラモデルが持つ魅力をまちの活性化に生かすことを目的に、静岡市プラモデル化計画を進めております。  本計画では、プラモニュメントに代表されるプラモデルのまちを体感できる環境づくり、他業種とのコラボレーションによる新たなコンテンツづくりに加え、プラモデルを活用したまちづくりを担う人の育成や子供たちへのものづくり教育など、関わる人を財産と捉える人財づくりを3つの柱に据え、事業を展開しています。 65 ◯安竹信男君 森林文化の地域づくりについて、質問を続けてまいります。  ただいまの答弁で、生活機能の維持・向上と経済の活性化ということが強調されましたが、SDGsを掲げる本市にとっては重要施策であります。  過去40年余の木材価格低迷は、林業従事者の森林管理を遠ざけ、水害防止などの公益機能を失する事態を招いてまいりました。  私は、小嶋市政のときに間伐の重要性を訴えました。市民にとって日本一おいしい水を守るためには、水源域の森林の適正管理が重要で、その1つが間伐事業であるからです。あるとき、小嶋市長から呼び出されました。安竹さん、残念だけど間伐という事業が十分理解できないんだ。ちょっと教えてくれないかと、こういうことでありました。私は、当時の森林組合の大村五郎組合長と相談いたしまして、小嶋市長を現地に連れていくことを計画いたしました。大村さん所有の間伐した山と間伐していない山、これを見比べてほしかったわけであります。百聞は一見にしかずと申しますが、市長はその視察を終えた後、安竹さん、やっと間伐という作業の重要性がよく分かった、ありがとうと、こういう大変な喜びようでありました。  小嶋市長の英断で静岡市森林環境基金の創設があり、その基金の一部を原資として毎年300ヘクタール余の間伐事業が実施されます。山間地の林業従事者の活気を取り戻すチャンスとなったわけであります。  しかし、田辺市政の12年間、いまだに大量の間伐材が山中に切り捨てられているのを、ただ見逃してきたわけであります。私もその1人で、大変申し訳なく思っています。極めてもったいない話であります。  この森林文化の地域づくり政策の中で、ぜひとも、間伐材を燃料資源とした木質バイオマス発電所建設を実現し、林業従事者の皆さんが、そして山間地に住む皆さんが、我がまちから電力が発電されたという、そういう活気を取り戻すチャンスを創出することを要望してやまないのであります。  さて、一方では、山間地からの人口流出は極限にあります。限界集落の定義が通用しない現状であります。政府を挙げて山間地の人材不足を補うべく、集落支援員や地域おこし協力隊員の活躍と成果が期待されておりますが、井川にいて、また玉川や梅ケ島を見て、釈然としない現状を目の当たりにしているわけであります。  コロナ禍の中で、都市部の過密を避けて山間部へ移住する機運が高まっております。本市では、中山間地振興に関する計画として、オクシズ地域おこし計画があります。この次期計画が中山間地振興をどのように牽引するのか期待するとともに、心配もしております。  ここで伺いますが、次期オクシズ地域おこし計画は、中山間地域振興をどのように牽引する政策なのか、お伺いいたします。 66 ◯農林水産統括監(川崎 豊君) 次期オクシズ地域おこし計画は、4次総の考え方と歩調を合わせ、3つの方向性で策定していくこととしています。  1つ目は、暮らしの維持向上です。買物や医療、子育て及び交通インフラ等の生活に必要な機能を維持することに加え、光回線を活用し利便性の向上を図るなど、これからも暮らし続けられるオクシズを構築していきます。  2つ目は、保全と活用の両立です。様々な公益的機能を有する森林や農地の保全を進めるとともに、農林水産物の高付加価値化や温泉等の地域資源を生かした交流促進等の活用を通じ、経済の活性化を図っていきます。  3つ目は、内と外からの活性化です。暮らしの維持向上、保全と活用の両立を支えるため、住民や地域おこし協力隊による主体的な地域活動に加え、移住者や中山間地域でビジネス展開を図る事業者などの新たな活動を通じた活性化を図っていきます。
     これらの方向性の下、さらに、住民や関係者等の声にも耳を傾け、森林文化の地域づくりを具現化し、オクシズ振興を具体的に進めていくための計画とすることで、今後の中山間地域振興を牽引してまいります。 67 ◯安竹信男君 丁寧に3つの方向性が示されました。日頃から川崎農林水産統括監は大変熱心でありますので、この一つ一つを大事にしていただきたい。我々も大事にしなきゃいけない。  ところで、この答弁の中の2つ目に、保全と活用の両立を図る方向性を示されましたが、ぜひとも市民の命の水、水源域の公益的機能を維持するためにも、森林の適正管理のために間伐材の有効活用を図ってほしいのであります。  くどいようですが、豊かな森林資源を熱源として活用する木質バイオマス発電事業を実現するときが来たと思います。  また、農林水産物の高付加価値化を図るという言葉もありましたが、オクシズの農業の基幹産物である茶生産現場の実態を見ますと、茶価の低迷によって、茶生産意欲は減衰し、放棄茶園が急増しております。茶どころの製茶工場では、機械処分制限期間を10年以上もオーバーしておりますが、更新できない。共同製茶工場の維持管理も厳しい状況にございます。茶生産者に対する本市の茶産地総合対策事業の補助金制度を活用しようとするにも、補助金対象経費の2分の1という限度額になっておりますので、補助金制度を活用しても、その2分の1を農家が背負うことがなかなか大変。本市が残り2分の1を負担するくらいの手厚い政策が必要な極限の時期にあると訴えたいのであります。  私は、小嶋市長に苦言を呈したことがあります。都市住民が山間地に移住する政策よりも、今、山間地に暮らしている人たちが出ていかないようにする政策を優先すべきではないかと言ったわけであります。つまり、山間地に働く場所をつくる政策が求められているのであります。  例を挙げますと、電気事業もそうです。電気の地産地消も重要です。山間部における豪雨災害などが頻繁になってきた昨今、地産地消の精神で地元で電気を起こす。例えば、1,000戸分の電力を起こすくらいの小規模な発電所は、せいぜい20億円ぐらいでできるんです。小さな発電所だと10億円でできると言われています。全国にも200余の発電所ができているんです。木材を切り出す人、貯木場でチップを作る人、発電所を管理する人、多くの雇用を生んでいるわけであります。これこそ本来の山の経済創出、地方創生であろうと考えるわけであります。もちろん国の補助金も手厚いものがあるわけです。藁科水系に1つ、安倍川水系に1つ、玉川の長沢水系に1つ、3つぐらいつくったらどうですか、市長。それぐらいの4次総にしていただきたいのであります。  残念ながら、相変わらず地元の電力会社は、山間地域を流れる幾つもの河川に小水力発電所の可能性を摸索しております。小水力発電所建設は、市民生活に必要な水源域を傷めることになります。今、安倍川の中流域に建設されている水力発電所、私は反対しましたけれども、流域住民と自然環境に及ぼす影響の検証はこれからです。将来に禍根を残すことがないように、梅ケ島地域で今、育っている中学生が将来を見て、ああ、梅ケ島の環境はこんなに悪くなったんだということがないように、後のケアをしっかりしなきゃいけない、こう思っているわけであります。  ここで、森林文化の地域づくりの質問を終わらせていただきます。  次に、大項目2のものづくり産業振興について質問してまいります。  答弁から、静岡市プラモデル化計画を進める精神は十分理解いたしました。なお、プラモデルのまちとして、環境づくり、人材育成は重要であると考えます。  さて、本市は、木工などものづくり産業の歴史がありますから、世界から集まるバイヤーの皆さんに、まちの歴史や文化、観光にももっともっと深く関心を持っていただくなど、他業種とのコラボレーション、経済活性化のチャンスを生かしてほしいと考えております。  プラ模型の世界ナンバーワンであるタミヤという会社が一日にして出来上がったものではないということを、もう一度、当局に勉強していただきたいのであります。田宮俊作氏が、少ない仕送りの中で大学を卒業して、静岡市に戻って、小さな町工場の2階の事務所で、ミカン箱の上で設計図を描いたというのであります。貧しかったんです。いずれも業界ナンバーワンのタミヤの今日の姿は想像できない、そのエピソードがいっぱい書いてあります。大きな成功を勝ち取ったのは、どこかで人一倍苦労し、それが原動力となっていることを理解してほしいんです。  この本の末尾に記載されておりますが、当時、エコノミストである野村総合研究所のリチャード・クー氏がここに投稿してあります。プラモデル作りの楽しさは、形あるものを作り上げる喜びだと思うと。実物の戦闘機や戦車にじかに触れることはなかなか難しいが、プラモデルであれば、自分の手で、その雄姿を再現することができる。自分で作り上げることができる。リチャード氏は、最初にプラモデルに出会ったのは、小学校1年のとき、スクーターにはねられて病院に入院していたとき、父が見舞いに買ってきてくれたものだったと、小学生のときにプラモデルに出会ったことを鮮明に記憶しております。  私は、1946年生まれです。戦後の物資の乏しい時代でしたが、山の暮らしは豊かでした。夏は川で魚釣り、水鏡で魚突き、冬はそり遊びなど、部落の仲間たちと朝から晩まで遊んでいました。釣りざお、水鏡、もりなど、全てお互いに競争して自分の手作りでありました。積雪がかちかちに凍った山道を滑るそり作りは、誰のそりが一番よく滑るか、形に工夫を凝らしたものでした。  先ほどの答弁にありましたが、子供たちにものづくりへの興味、関心を持つ機会を提供する人財づくりは大変重要な施策だと評価いたします。  ここで、プラモデルの活用について伺います。  小学生を対象にどのようなものづくり教育を行っているのか、教えてください。 68 ◯経済局長(稲葉 光君) プラモデルを活用したものづくり教育の一環として、平成30年度から小学校へ出向き、ものづくりキャリア教育推進事業を実施しております。この事業は、工作体験のみならず、タミヤ、アオシマ、ハセガワ、バンダイといったメーカーの方々から、仕事の内容などをお話しいただくもので、令和3年度末までに41校2,703人の小学生が参加しており、本年度は新たに18校、約1,300人が参加する予定です。  また、これに加え、静岡ホビーショーでは、小中高校生招待事業を実施しており、体験した小学生の約9割から、ものづくりに興味を持った、ものづくりが好きになったなどの声が届いております。 69 ◯安竹信男君 御答弁をいただいて、小学生もチャンスをいただいたということが分かりました。特に、41校で2,703人ですか、小学生がプラモデル工作を体験しているということで、すばらしい人材育成事業が進んでいるということは理解いたしました。  私は、自分の3人の子供たちに、小学校の時期にプラモデル模型を頻繁に買って与えました。今般、この質問をやるということで、夕食時にこの話をしましたところ、彼いわく、子供の頃、模型作りのおかげでオートバイから耕運機、身近な機械修理は、今でも何でもできると。あのときは本当にありがたかったと、こんなふうな言葉をいただいたわけであります。今回の質問に、非常に関心を持っていただいたことをうれしく思いました。  ここで、今後のものづくり教育をどのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 70 ◯経済局長(稲葉 光君) 本市のものづくり産業は、今川、徳川時代に端を発し、脈々と受け継がれた技術と、よいものをつくり出すことへの強い思い、ものづくり精神によって大きな発展を遂げてまいりました。  現在のプラモデル産業は、本市のものづくりの象徴であり、宝であります。  今後は、さきに申し上げた出前講座やホビーショー招待などで、より多くの市内小学生がプラモデルを体験できる本市ならではのものづくり教育を、さらに充実させてまいります。  そして、本市の未来を担う若者に対し、ものづくりの楽しさ、魅力を伝え、職業観の醸成につなげていくとともに、本市に根づくものづくり精神を伝承していきたいと考えております。 71 ◯安竹信男君 本市ならではのものづくり教育の充実を図るということは、私も大変共感いたします。  また、本市に根づくクラフトマンシップ、いわゆる職人かたぎが今、だんだんなくなっちゃっているんですよね。本当に寂しい。ぜひ、子供たちに、このクラフトマンシップを伝承していただきたい、こう思うわけであります。  さて、次に、中項目の伝統的地場産業について触れてまいります。  静岡のものづくり文化は、徳川家康公と深いつながりがあると言われます。静岡の伝統工芸についての文献を見ますと、家具や指物、漆塗り、ひな人形づくりといった静岡の伝統工芸を語るには、江戸時代の大御所であった徳川家康公の時代まで遡る必要があります。  家康公が駿府城の築城、さらに、家光公が浅間神社を造営するに際し、日本全国から名工たちを集めたと言われています。優れた技の大工や漆職人たちが建設工事が終わった後に、静岡の住みやすさを気に入って、このまちに住み着いたことが、静岡の木工産業の発展へとつながったわけであります。  第3次静岡市ものづくり産業振興基本計画31年度版を見ますと、伝統工芸技術の伝承について、次のように述べているのが気になります。  現状の伝統工芸は、従業員3人以下の零細事業所がほとんどを占めるため、事業所数や生産額などについては、統計的に捕捉できません。このため、本市の製造業全体の中では、伝統工芸の比重は低く映る傾向にありますと書いてあるわけです。家康公がこれを聞いたら、本当に悲しむんじゃないでしょうか。本市にとってゆゆしき実態であります。  ここで伺いますが、木工、竹細工、漆器など、伝統的地場産業の業界における課題はどのようか、お伺いいたします。 72 ◯経済局長(稲葉 光君) 業界の最大の課題は、高い技術を持った職人の高齢化や、後継者不足であると考えております。これは、伝統ある地場産品の持つ価値や魅力が広く浸透しておらず、安価な大量生産品の普及が進むことで、商品の販売不振を招き、経営が不安定であることが主な原因です。  また、原材料の価格高騰を販売価格に転嫁できないことや、職人の減少による道具、機材等の供給不足も影響しております。 73 ◯安竹信男君 答弁の内容は、第3次静岡市ものづくり産業振興基本計画に記されているわけでありますが、伝統工芸技術の継承の課題について、私のほうでそれをちょっとまとめてみました。  本市の製造業全体の中では、伝統工芸の比重は低く映る傾向になっている。このような伝統工芸全般における課題については、後継者などの育成に関する支援策の検討が必要となっている。従事する職人の高齢化や後継者の育成難などの問題から存亡の危機にある業種も多く、早急な対応を図る必要がある。小規模ながらも前向きな取組が見受けられ、そのような自助努力に対しては、必要な施策を展開していかなければならない、こう書いてあるわけであります。  ここで、井川メンパを紹介します。  私の後輩の望月君が伝承に努めております。数人を自分の手作りメンパの作業場に招いて、ずっと育成しているわけです。これも当局の補助事業を使ってのことでありますが、彼は今、73歳です。死ぬまでにあと10年、20年、どれだけ生きるか分からないが、一人でも多くの人たちにメンパ技術を伝承したいと言っているんですよ。僕は、こういうことを、ほかの工芸品の伝承にも、何かヒントを見つけたい、こう思っているわけでありますが、私ができるわけじゃありません。当局の皆さんが、ぜひ現場と密接な関係を持って、そのことに努めていただきたい、こう思うわけであります。  さて、このプラ模型作りが、やはりこれからのいろんな技術伝承の取っかかりになるだろう、子供たちの気持ちの取っかかりになるだろうと期待するわけであります。  ところで、中山間地振興課が毎年、開催しているオクシズ森林の市、これは盛況です。子供たちが工作コーナーで夢中になっている姿は、ほほ笑ましい限りであります。私たちの子供の頃は、竹細工で虫かごなどを作ったものです。  ここで、伺います。  伝統的地場産業の小学生向けの施策は、何を行っているか、お伺いいたします。 74 ◯経済局長(稲葉 光君) 地場産品とものづくりへの関心と理解を深めることを目的に、駿府匠宿で竹千筋細工や木工などの創作体験を実施しています。この中には小学生ができるメニューも多く、家族連れでの来場者などに利用いただいています。  また、市内小学校が団体での創作体験を行う際には、1人2,000円を上限に補助金を交付し、利用を促進しています。令和3年度は36校、2,430人が利用するなど、毎年、多くの市内の小学生が工芸品の創作を体験しています。  また、教育委員会では、小学校の社会科で地域や産業を学ぶ際に、副読本を活用するなどして地場産業を取上げています。 75 ◯安竹信男君 ぜひ小学校の皆さんにものづくり教育を進めていただきたい。1人2,000円の補助金もあるということでありますが、我々はこの補助金の追加を惜しみませんので、ぜひ推進していただきたい、こう思うわけであります。  創生静岡議員団は駿府匠宿の視察をいたしました。しかし、私にとっては大変残念な思いが残ったわけであります。駿府匠宿建設当時のことを振り返ったわけでありますが、家内工業で細々と経営している事業者をどのように助けるか、このことを期待して造ったものでありますが、その意味からちょっと遠ざかったような感じがするわけであります。  市長、今こそ重要な局面に立たされているのではないでしょうか。本市は60億円の大枚を投じて歴史博物館を建設いたしました。今川公や徳川家康公にまつわる貴重な資料を展示するわけであります。そういう一方、やはりこの時代につくり出された、この静岡市の顔とも言えるものづくり産業、これをしっかり補佐していただきたいと思うわけであります。  市長は、伝統ものづくり産業のともしびを消さないように、具体的な施策を早急に展開するよう…… 76 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。 77 ◯安竹信男君(続) 要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。    ─────────────────── 78 ◯議長(望月俊明君) 本日はこれにて延会いたします。         午後3時32分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...